■静岡県の野鳥
静岡県内で記録された野鳥の種類は330種にのぼり、これは日本で見られる鳥類約550種の60%にもおよびます。静岡県で見られる鳥の種類が豊かな理由は、静岡県には海から高い山まで、さまざまな生息環境があるからです。また、静岡県は日本列島の中央の位置しているために、北方系・南方系の夏鳥・冬鳥双方の分布に適していて、さらに長い海岸線は渡り鳥の通過コースにもあたります。
野鳥の生息のしかたには、5つのタイプがあります。
- 留鳥:周年国内で姿が見られるもの
- 夏鳥:日本に繁殖のために渡来し、秋冬は海を渡って南国で越冬するもの
- 冬鳥:北方の国で繁殖、越冬のために日本に渡来するもの
- 旅鳥:日本より北の国で繁殖して日本より南の国で越冬するために、春と秋の2回一時的に日本に立ち寄るもの
- 迷鳥:本来日本に生息しないものが渡りのコースを誤ったり、台風にまき込まれたりして迷入したもの
静岡県でみられる野鳥を区分すると、留鳥22%、夏鳥14%、冬鳥24%、旅鳥17%、迷鳥23%となります。
●野鳥のすむ場所
●展示剥製標本
- シメ : アトリ科
北海道から本州に繁殖する冬鳥で、落葉広葉樹の樹上に単独で皿状の巣をつり、県内では秋から春に普通に見られます。
- ヒレンジャク : レンジャク科
シベリアから秋に渡来して越冬する冬鳥で、県内ではシベリアに帰る春の時期に見られます。
- ウグイス : ヒタキ科
冬は温暖な平地で過ごし、春に山へ帰って繁殖する漂鳥で、単独またはペアで茂みにくらしています。
- サンコウチョウ : ヒタキ科
静岡県の鳥に指定されている鳥で、初夏に南方から渡来する夏鳥です。オスは長い尾をもち美しく、秋には尾はぬけます。この標本はメスです。
- ムクドリ : ムクドリ科
農耕地の害虫を餌として多く生息していますが、農耕地の減少により都市にも生息する留鳥です。なわばり意識が少なく群れて生活します。
- オシドリ : ガンガモ科
アジア東北部に生息し、日本でも普通に繁殖しています。生息場所は局地的で、山間部の林に囲まれた池や川を好みます。
- キジ : キジ科
オスは赤い顔と緑の胸が目立ち、長い尾をした日本特産種で、国鳥に指定されている留鳥です。
- トラツグミ : ヒタキ科
夏は本州中部以北の山地で繁殖し、冬に暖かい地方に訪れる漂鳥で、県下では夏に山地、冬に低地で見られます。
- サシバ : ワシタカ科
赤褐色のタカで、4月末に関東から九州までの低地の森林に渡来し繁殖する夏鳥です。10月ころ群れをなして南方に移動します。
- アオゲラ : キツツキ科
緑色で腹側に横しまの目立つキツツキ類で、日本特産で平地から山地の林で繁殖する留鳥です。冬には市街地でも見られることがありはます。
- イカル : アトリ科
くちばしが黄色で大きく頭の半分もある鳥で、県内では低山帯や山地帯で繁殖し、冬は平地の雑木林や市街地の公園で見かける漂鳥です。
- ツグミ : ヒタキ科
ユーラシア大陸の北部に広く繁殖して、秋に大群で南に渡る冬鳥で、うつうは単独で行動しますが渡りのときには大きな群れをつくります。
- ケアシノスリ : ワシタカ科
白っぽいノスリで、ユーラシア大陸極北地方や千島、北アメリカ北部で繁殖。県下では富士川や大井川河口などの開けた所に飛来する冬鳥です。
※このページは1996年10月に実施された特別展『静岡県の自然』の一部です。
最終更新日:1996-11-15(金)
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東海大学社会教育センター
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