オオワニザメ Odontaspis ferox
 浅海〜深海(約500m)にかけて生息.同科のシロワニは,近年,水族館で多く飼育され人気となっているが,本種の生態については不明な点が多い.
 本個体は,2009年9月に東海大学の実習船望星丸を用いた海洋実習Uにて調査・撮影した.本学科では,様々な深海生物の採集を行っているが,その一環として試験的に静岡県の特別採捕を申請し,深海底立て延縄(水深約500m)を用いて深海サメ調査実習を行った.海洋学部の海洋実習では様々な海に関わる調査を行うが,このような大型海洋生物を海洋実習にて調査するのは,海洋生物学科オリジナルの調査項目で,現在の望星丸での海洋実習として初めて取り入れた.本種は大型で貴重な生物であり,船上への揚収は行えず,観察後にリリースとなった.
 オオワニザメは駿河湾では希に採集され,これまでに定置網や深海底曳網で数個体採集しており,東海大学にて調査研究を行っている.(参考写真)
 今回の底立て延縄実習では,この他にユメザメ,ホラアナゴ,アコウダイなど深海の生物を採集し,実習試料として用いた.

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オオワニザメの採集動画