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 本学科の研究で扱っている深海性サメ類のごく一部です.駿河湾は日本でも有数の深い湾であることから,非常に多くの深海ザメが生息しています.深海性のサメ類からは,良質のスクワレンが大量にとれ利用されていますが,生態に関する情報は少なく,十分ではありません.興味のある学生さんは是非,本学科で研究してみてください.

本学科だから扱える研究試料−深海サメ1





オロシザメOxynotus japonicus
 深海に生息する珍しいサメ.体高が高く,背鰭には棘をもつ.鱗は鋭く,おろし金になることからこの名が付く.本学卒業生の矢野博士が新種として記載.この他にも深海性サメ類の新種記載に本学の田中彰先生が関わっている.本種の生態は不明で,研究対象として興味深い.
ラブカ Chlamydoselachus anguineus
 鰓孔が通常5対である多くのサメ類と異なり6対あり,歯が三叉状で特徴的である.形態が古生代のサメと似ていることから生きた化石ともいわれる.世界中の深い海から採集されているが,珍しいサメである.駿河湾では比較的多く採集されることから,本学では多くの研究を行っている.
オオワニザメ Odontaspis ferox
 近年多くの水族館にて展示されているシロワニの仲間.形態は良く似るが,背鰭の大きさと歯の形態が異なる.深海で希に採集される.生態に関する知見は少なく,試料を収集して今後研究する予定である.
ヨロイザメDalatias licha   (胎児)
 ヨロイザメの胎児.本種は卵黄依存型胎生のサメで,写真では子宮内に胎児がいるところがみれる.胎児はかなり大きくなっており,既に雌雄の判別も可能である.胎児の発達具合,性比,胎児数,外卵黄の大きさなどから,出産時期,成長速度,交尾期,などの繁殖に関する研究を行っている.