■生きている化石
過去の地質時代にさかえた生物で、現在でもほそぼそながら生きつづけているものを「生きている化石」とよびます。
生きている化石は、過去の生物の形や生活などを教えてくれると同時に、過去の生物の分布や進化についても多くのことを教えてくれます。ここでは、きょく皮動物、かぶとがに、なめくじうお、シーラカンス、オウムガイなどを例にあげます。
■主な展示
- きょく皮動物
ウニ、ヒトデ、ナマコなど体にトゲのついた石灰質の殻をもつ動物で、私たち人間の遠い先祖にあたる動物です。これらは古生代はじめに栄えました。
[展示標本]
- とうめくもひとで Ophiarachnella gorgonia
- ユーパタガス Eupatagus floridanus
- うみつぼみ ペントレミテス Penteremites rusticus
- よつあしかしぱん Peronella japonica
- とりあし Metacrinus rotundus
- マクロプリヌス Macrocrinus mundulus
- かぶとがに
かぶとがには三葉虫から枝分かれして進化して、古生代シルル紀に栄えた節足動物の剣尾類の仲間です。現在では北アメリカと日本、マレー半島に5種類しか生きていません。カニと名前がついていますが、むしろクモに近い動物です。
[展示標本]
- かぶとがに Mesolimulus waich
- かぶとがに Tachypleus tridentatus
- なめくじうおとくろめくらうなぎ
なめくじうおは背骨のかわりに脊索というものをもつ魚のような動物で、私たち背骨をもつ脊椎動物の遠い先祖の祖先の姿をそのままとどめています。この仲間は古生代のはじめに生まれ、現在でもおなじような姿でいきています。くろめくらうなぎは古生代はじめに現れたあごのない魚の仲間です。うなぎという名前がついていますが、硬骨魚類のるうなぎの仲間ではありません。
[展示標本]
- なめくじうお Branchiostoma belcheri
- くろめくらうなぎ Paramyxine atami
- シーラカンス
シーラカンスは脊椎動物の上陸を考える上にとても貴重な「生きている化石」です。シーラカンスは古生代に出現し、中生代に絶滅したと考えられていましたが、1938年に南アフリカの沖合いで生きているのが発見されました。
[展示標本]
- シーラカンス Coelacanthus banffensis
- オウムガイ
古生代のはじめに栄えたオウムガイは中生代に栄えたアンモナイトとともに、頭足類(イカ・タコ)の仲間です。アンモナイトは中生代のおわりに絶滅しましたが、オウムガイは現在でもインド洋と南太平洋の深海に6種すんでいます。
[展示標本]
- オウムガイ Nautilus pompilius
- ユートレフォセラス Eutrephoceras dekayi
最終更新日:2001-11-12(月)
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