タイトル(展示:3階)展示:3階
タイトル(3階)

 このエリアは、脊椎動物の発展したデボン紀(今から約4億年前)からはじまり、 魚類や両生類、爬虫類の進化を展示していますが、その中でもとくに中生代 に栄えた恐竜がこのエリアの主人公です。

●3階の展示

脊椎動物の発展

古生代デボン紀

今から4億1000万〜3億6000万年前の世界
 古生代のデボン紀には、海や淡水にすむ背骨のある動物が大いに進化しました。この時代の終わりの地層からは、すでに肺魚やシーラカンスの仲間、それと両生類の化石も発見されています。そして、つぎの石炭紀には爬虫類が生まれ、ひきつづいて恐竜や哺乳類の時代へと進んでいきます。
 ユウステノプテロンは原始両生類イクチオステガの直系祖先の魚類と考えられています。イクチオステガなどの初期の両生類は歯の断面に迷路のような線があり、この特徴はユウステノプテロンももっています。
イラスト ユウステノプテロンとイクチオステガ

地層と地質時代

 地層には過去の地球の歴史が記録されています。その地層を基準に地質時代が決められています。たとえばデボン系という地層がたまった時代がデボン紀という地質時代になります。はなれたところに分布する地層の地質時代も、地層の重なり方やふくまれる化石などから推定することができます。
イラスト 地質時代の地層と化石動物

魚類の系統

魚類の系統

 デボン紀は「魚の時代」と呼ばれるほど、魚類が大発展していろいろな種類が生まれ、さらに両生類まで誕生しました。
 現在、海や淡水にいるほとんどの魚は硬骨魚類の真骨魚の仲間で、白亜紀になって発展してきた魚類です。

イラスト 魚類の系統図のイラスト

ボスリオレビス

学名 Bothliolepis sp.
分類 板皮綱 胴甲目
時代 デボン紀(約4.1億〜3.6億年前)
産地 ロシア バルト海沿岸
複製 原標本:ロシア科学アカデミー
 デボン紀のはじめに現れた魚で、よろいをまとい、しっかりとしたあごをもった魚です。デボン紀の終わりとともに絶滅しました。

プテリクチス

プテリクチス

学名 Pterichthys milleri
分類 板皮綱 胴甲目
時代 デボン紀(約4.1億〜3.6億年前)
産地 イギリス スコットランド
 ボスリオレピスと同じようによろいをまとっている魚ですが、体のうしろの部分はうろこにおおわれています。

ヘリコプリオンヘリコプリオン

学名 Helicoprion bessonowi
分類 軟骨魚綱 板鰓亜綱
時代 ペルム紀(約2.9億〜2.5億年前)
産地 ロシア
複製 原標本:ロシア科学アカデミー
 サメの下顎の歯と考えられる化石で、この歯をもった魚の全体の形については化石が見つかっていません。

オステオレピスオステオレピス

学名 Osteolepis macrolepidotus
分類 硬骨魚綱 総鰓下綱
時代 デボン紀(約4.1億〜3.6億年前)
産地 イギリス スコットランド
 シーラカンスや両生類の祖先にあたる魚で、デボン紀中期に現れた硬骨魚類です。体は細長く、うろこは菱形で厚く、ひれは葉のような形をしています。

パレオニスカス

学名 Plaeoniscus freieslebeni
分類 硬骨魚綱 パレオニスカス目
時代 ペルム紀(約2.9億〜2.5億年前)
産地 ドイツ
 デボン紀前期から白亜紀まで生きた原始的な硬骨魚類です。肉食でアゴには鋭い歯をもち、口を広くあけることもできました。チョウザメの骨格に似ています。

アカンソーデスアカンソーデス

学名 Acanthodes bronni
分類 棘魚綱
時代 ペルム紀(約2.9億〜2.5億年前)
産地 ドイツ
 「トゲをもつ魚」と呼ばれる棘魚類の魚は、アゴをもった最古の魚で、シルル紀に現れペルム紀に絶滅しました。

パラムブリプテルスパラムブリプテルス

学名 Paramblypterus gilberti
分類 硬骨魚綱
時代 ペルム紀(約2.9億〜2.5億年前)
産地 ドイツ

プレウラ

学名 Pleura canthus
分類 軟骨魚綱
時代 ペルム紀(約2.9億〜2.5億年前)
産地 ドイツ


両生類

マクロメレルペトン

学名 Macromelerpeton credneri
分類 両生綱
時代 ペルム紀(約2.9億〜2.5億年前)
産地 ドイツ

ドビノサウルス

ドビノサウルス

学名 Dvinosaurus primus
分類 両生綱 迷歯目
時代 ペルム紀(約2.9億〜2.5億年前)
産地 ロシア 北ドビナ
複製 原標本:ロシア科学アカデミー
 サンショウウオに似た大きな両生類で、生まれてから死ぬまで淡水にすんでいました。強い歯をもっていて、魚をえさにしていました。

ブランキオサウルスブランキオサウルス

学名 Branchiosaurus amblystomus
分類 両生綱
時代 ペルム紀(約2.9億〜2.5億年前)
産地 ドイツ<

爬虫類
爬虫類

両生類と爬虫類のアゴのあき方

 レバーをひいて、爬虫類と両生類の口のあけ方をみてみましょう。爬虫類は両生類とちがってえさをまる飲みするだけでなく、大きく口をあけてすばやくとじてえさをかむことができました。そのため、目のうしろに口をとじたときに下あごを引き上げる強い筋肉が納まる穴があります。

スクトサウルススクトサウルス

学名 Scutosaurus karpinski
分類 爬虫綱 無弓亜綱 杯竜目
時代 ペルム紀後期(約2億7000万〜2億5000万年前)
産地 ロシア 北ドビナ
複製 原標本:ロシア科学アカデミー古生物博物館
 平たい頭と短い尾をもち、体長約 3mで恐竜の現れる前の爬虫類です。体は厚くて硬いうろこ状の皮ふでおおわれていました。くし状で溝のある細かな歯をもち、沼地にすみ、やわらかい植物を食べていたと考えられています。

陸上に進出した動物 爬虫類

 古生代の終わりころ(2億9000万年前)には、すでに両生類から進化した爬虫類がいました。爬虫類は殻のある卵(有羊膜卵)を産み、乾燥から身を守るうろこ状の皮ふをもった変温動物で、陸上に進出していきました。爬虫類は両生類とちがい、すばやく口をとじてエサをかむことができました。そのため、下アゴを引き上げる強い筋肉が納まるへこみや穴が頭骨の目の後ろにあります。爬虫類は、その穴の数をもとに主に3つのグループに分けられます。
イラスト
爬虫類の頭骨にみられる3つのグループ
無弓類 杯竜類やカメ類など
単弓類 哺乳類型爬虫類
双弓類 トカゲ・ヘビ・ワニ・恐竜など

哺乳類の先祖 哺乳類型爬虫類

 哺乳類型爬虫類
目の後ろに1個の穴をもつ爬虫類(単弓類)は、歯の形が場所によってちがっていたり、下アゴの骨が哺乳類にとても似ていて、哺乳類型爬虫類と呼ばれます。この仲間は、古生代の石炭紀後期(約3億年前)に現れ、全世界の大陸で化石が発見されるほど発展しました。しかし、恐竜が出現した中生代三畳紀後期(約2億3000万年前)までにはほとんど絶滅してしまいました。
イラスト
哺乳類型爬虫類と哺乳類の下アゴ
 哺乳類の下アゴは歯骨だけからなりますが、爬虫類の下アゴはいろいろな種類の骨からなり,歯骨はそのひとつで小さな骨です。哺乳類型爬虫類の下アゴは、進化とともに歯骨の部分が大きくなりました。

ディメトロドン

ディメトロドン

学名 Dimetrodon limbatus
分類 爬虫綱 単弓亜綱 盤竜目
時代 ペルム紀前期(約2億9000万〜2億7000万年前)
産地 アメリカ テキサス
複製 原標本:ブリガムヤング大学
 背中に帆のようなものをもつ哺乳類型爬虫類で、帆は体温調節に使ったと思われます。キバ(犬歯)と噛み切り用の歯をもつ肉食動物で、口を大きく開いてえものをしっかりとかむことができました。

ディキノドン

学名 Dicynodon amahtyku
分類 爬虫綱 単弓亜綱 獣弓目
時代 ペルム紀後期〜三畳紀中期(約2億7000万〜2億3000万年前)
産地 ロシア
複製 原標本:ロシア科学アカデミー古生物博物館
 「2つのキバをもつもの」という名のついた体長約 2m、カバに似た哺乳類型爬虫類です。上あごに2本のキバ(犬歯)以外歯がありませんが、奥歯の部分が硬い角質になっています。このキバで沼地の底の植物を掘りかえして食べていたと考えられています。

エステメノスクス

学名 Estemmenosuchus uralensis
分類 爬虫綱 単弓亜綱 獣弓目
時代 ペルム紀(約2億9000万〜2億5000万年前)
産地 ロシア ウラル西部
複製 原標本:ロシア科学アカデミー古生物博物館
 頭に角のようなでっぱりがあることから「冠をかぶったトカゲ」という名がつく哺乳類型爬虫類です。この動物は、ペルム紀の陸上にすんでいた動物の中で最も体が大きく、体長が 4.5mで体重が 700kgあります。群れをつくり水陸両方の生活をしていて、草を食べていたと考えられています。

イノストランケビア

学名 Inostrancevia alezandri
分類 爬虫綱 単弓亜綱 獣弓目
時代 ペルム紀(約2億9000万〜2億5000万年前)
産地 ロシア 北ドビナ
複製 原標本:ロシア科学アカデミー古生物博物館
 体長が3mで、鋭く刀のようなキバ(犬歯)とツメをもち、早足で歩くことのできた肉食動物です。この動物は、昆虫や爬虫類などあらゆるものを食べていたと考えられています。

恐竜の世界

恐竜ホール

さまざまな恐竜恐竜の世界

 もっとも古い恐竜の化石は、中生代三畳紀の終わり(約2億3000万年前)の地層から知られています。恐竜は、直立二足歩行のできる爬虫類として運動能力にすぐれ、巨大な体をもち、中生代の終わりまで陸上の支配者となりました。
イラスト さまざまな恐竜

恐竜の骨の特徴恐竜とは

 恐竜とよばれる動物は、二足歩行できる仕組みをもつ爬虫類で、そのために腰骨や大腿骨の接合部、それと足くびなどに骨格の特徴があります。とくに腰骨の特徴から、恐竜は竜盤類と鳥盤類という2つのグループに分けられています。

恐竜の骨の特徴

 恐竜は爬虫類にふくまれるグループで、それらの骨格の特徴には主につぎのような共通点があります。
1.仙椎が3個以上
2.肩関節が後ろを向く
3.手の外側の2指は小さく指の数も少ない
4.寛骨臼の中央に穴がある
イラスト 恐竜の骨格概念図(プテオサウルスを例として)Fastovsky and Weishampel, 1996より

恐竜の系統樹
分岐仮説図 恐竜は、三畳紀後期(約2億3000万年前)に鳥盤類と竜盤類ともに最初の化石が発見され、時代とともにたくさんの種類に発展していきました。鳥盤類には主に剣竜やよろい竜、鳥脚類、角竜などがいて、竜盤類には主に竜脚類や獣脚類がいました。鳥類は、最近の分岐仮説では獣脚類にふくまれています。

イラスト 分岐仮説図
 系統解析に基づく分岐仮説図を地質時代にあてはめたもので、Sereno, P (1999; Science, v.284) に加筆した真鍋 (2001;AERA Mook 66)をもとにしています。  黒い実線はその時代を通して化石が発見されているもの。破線は前後の時代に化石が発見され、系統関係が確実なものの化石の発見がないもの。茶色の線は系統解析からすでにその系統が出現していたと予測されるものの化石がまだ発見されていないもの。

恐竜の大腿骨の化石恐竜の大腿骨の化石

 さわってみてください
 この化石は、カナダのアルバータ州の白亜紀の地層から発見されました。骨の上の部分は骨盤とつながるでっぱりがあり、竜脚類の恐竜の左後足の大腿骨と考えられます。この足の持ち主はおそらく体長約20m以上のアパトサウルスではないかと思われます。
イラスト アパトサウルス

ジュラ紀の恐竜と白亜紀の恐竜

 ディプロドクスやステゴサウルスはジュラ紀後期の代表的な植物食の恐竜で、これらの恐竜は体のわりに頭とアゴの骨がとても小さく、歯も貧弱です。それに対して、その4000万年以上あとの白亜紀後期にさかえたトリケラトプスやサウロロフスは、同じ植物食でも頭とアゴの骨は大きく、歯も植物をかみ切ったりすりつぶしたりするようになっています。このちがいはエサとなった植物がちがっていたからだと考えられます。白亜紀後期にはヤシなどの被子植物が、それまでのシダ植物やソテツなどの裸子植物にかわって広くしげっていました。

恐竜のつり橋構造恐竜はどうして大きいのか

 体が巨大だと体積のわりに表面積が小さくなり、体温を安定させることができます。恐竜のすんでいた中生代はとても暖かく、変温動物にとっては体が大きいほど一度あたたまった体が冷えることが少なく、少ないエサでも活発に動きまわることができました。恐竜の骨格は腰のところを柱にして、「つり橋」のように背骨をささえる構造になっていたので、陸上でもこのように巨大な体をつくることができたと考えられています。
イラスト 竜脚類の骨格はつり橋の構造と同じ

カマラサウルスの恥骨と坐骨恐竜の腰骨

 さわってみてください
 この化石は、アメリカのジュラ紀後期の地層から発見されたもので、カマラサウルスの恥骨と坐骨と思われます。
イラスト カマラサウルス

恐竜全身骨格

トリケラトプストリケラトプス Triceratops

学名 Triceratops elatus
分類 爬虫綱 主竜亜綱 鳥盤目(角竜類)
時代 中生代白亜紀後期の約7000万〜6500万年前
産地 アメリカ モンタナ
複製 原標本:ロサンゼルス郡立自然史博物館
 「3本の角のある顔」という名前のついたトリケラトプスは、体長9m、体重5トンにもなり、長い角と頭の後ろにフリルをもつ角竜の中でも最大の恐竜です。フリルからのびた強大な筋肉で下アゴを動かし、ふちが垂直な上下の歯で、かたい植物も小さく切りきざむことができました。角竜の大きなフリルと角は、オスがメスに対して自分をりっぱに見せるためのものだったとも言われています。

ステゴサウルスステゴサウルス Stegosaurus

学名 Stegosaurus stenops
分類 爬虫綱 主竜亜綱 鳥盤目(剣竜類)
時代 ジュラ紀後期の約1億5600万〜1億4500万年前
産地 アメリカ ワイオミング
複製 原標本:アメリカ自然史博物館
 背に並んだ背板が屋根のように見えるので、ステゴサウルス(屋根トカゲ)という名がつきました。このようなスタイルの恐竜は剣竜とよばれます。背板は皮ふの中にできる骨で、背骨などとはつながっていません。この板はたがいちがいに2列に並んでいて、板の表面には血管のあとがあることから、体温調整のためのものと考えられたり、体を大きく見せてりっぱに見せたり、防御のために役立つという考え方があります。先のとがった角質のくちばしがあり、やわらかい植物を食べていたと考えられています。

ディプロドクスディプロドクス Diplodocus

学名 Diplodocus carnegii
分類 爬虫綱 主竜亜綱 竜盤目(竜脚類)
時代 ジュラ紀後期の約1億5500万〜1億4500万年前
産地 アメリカ コロラド
複製 原標本:カーネギー博物館
 体長が26m以上あり、ムチのように長い尾をもつ。全身骨格が発見されている中ではもっとも体の長い恐竜です。このような首と尾の長い四足の恐竜を竜脚類と呼びますが、ほかの竜脚類にくらべるとディプロドクスは脚が細く、体重も12トンほどと体長が長いわりには軽かったと推定されています。ディプロドクスの頭骨は小さく、歯は短いエンピツのような形をしていてアゴの前だけに並び、鼻の穴は目の上にあいています。

エウオプロケファルスエウオプロケファルス Euoplocephalus

学名 Euoplocephalus sp.
分類 爬虫綱 主竜亜綱 鳥盤目(よろい竜類)
時代 中生代白亜紀後期(約7600万〜7000万年前)
産地 カナダ アルバータ
複製 原標本:ロイヤル・オンタリオ博物館
 「よく装甲した頭」という名前のよろい竜で、体重は2トン。骨質の板によっておおわれた頭をもち、体にはとげのような突起があります。巨大な肉食恐竜におそわれたときに、体をよろいで守り、尾の末端のかたいこん棒のようなかたまり(クラブ)で敵の脚に攻撃をくわえていたのでしょう。くちばしの幅が広く、足が短いことから、背の低い植物をえり好みせずにかみ切って食べていたと考えられています。

プロバクトロサウルスプロバクトロサウルス Probactrosaurus

学名 Probactrosaurus gobiensis
分類 爬虫綱 主竜亜綱 鳥盤目(鳥脚類)
時代 中生代白亜紀前期の約1億2000万〜1億1000万年前
産地 モンゴル 南ゴビ
複製 原標本:ロシア科学アカデミー古生物博物館
 植物食の鳥脚類の恐竜で、くちばしが平たいカモノハシ竜の祖先と考えられています。鳥脚類の恐竜は、角竜のように戦うための角がありません。また、剣竜やよろい竜のようによろいなどで身を守るのではなく、後ろ足の強い脚力で肉食恐竜から逃れたと考えられます。プロバクトロサウルスは植物の多い湖や沼のまわりにすんでいたと言われています。

タルボサウルスタルボサウルス Tarbosaurus

学名 Tarbosaurus baatar
分類 爬虫綱 主竜亜綱 竜盤目(獣脚類)
時代 中生代白亜紀後期の約7800万〜7000万年前
産地 モンゴル 南ゴビ
複製 原標本:ロシア科学アカデミー古生物博物館
 大きなアゴとナイフのような鋭い歯をもつ最大級の肉食恐竜で、体長12m、体重5トンにもなったと言われます。大きな目の穴が、ななめ前にあいていることから、立体的にものを見ることができたと考えられます。大きな頭にくらべてとても小さな2本指の手は、えものを押さえたりつかんだりするのに使ったと思われます。タルボサウルスは同じ時代に北アメリカにいたティラノサウルスと近縁の種類です。

タルボサウルスに追いかけられたら?

 もし、あなたがタルボサウルスに追いかけられたとして、あなたは逃げきることができたでしょうか。タルボサウルスはどれくらいの早さで走れたのでしょう。足の早い動物ほど、足の長さを同じにしたときの、ひざの下からの長さの割合が長い(すなわち大腿骨の長さの割合が短いほど)ほど、早く走ることができます。右のタルボサウルスの足を左右にスライドさせて、ウマやライオン、ヒトの足とくらべてみてください。

恐竜のすんでいたころのゴビ

 中生代ジュラ紀〜白亜紀のモンゴル南部
 中生代ジュラ紀のはじめにゴビには大きな湖ができ、まわりの山地が隆起して、山地と盆地の区別がはっきりしてきました。白亜紀のはじめには湖が広くひろがり、火山活動もありました。しかし、白亜紀後期になると、ゴビは山地の隆起で湖が干上がり、川の扇状地が広がりました。そして、乾燥した大地のところどころには砂漠も現れました。恐竜化石はおもに白亜紀後期の砂の地層からたくさん発見されています。
イラスト モンゴルの恐竜化石産地と中生代後期の盆地

プロトケラトプスプロトケラトプス Protoceratops

学名 Protoceratops andrewsi
分類 爬虫綱 主竜亜綱 鳥盤目(角竜類)
時代 中生代白亜紀後期の約8500万〜7700万年前
産地 モンゴル 南ゴビ
複製 原標本:ロシア科学アカデミー古生物博物館
 角竜の祖先と考えられている小型の恐竜で、トリケラトプスのように角はもっていませんが、くちばしと頭の後ろにフリルをもっています。歯と鋭いくちばしは硬い植物を切ることができたと考えられています。モンゴルや中国からは、産まれたばかりの赤ちゃんの化石もふくめたくさんの化石が発見されています。

プロトケラトプスサウロロフスの頭骨 Saurolophus

学名 Saurolophus angustirostris
分類 爬虫綱 主竜亜綱 鳥盤目(鳥脚類
) 時代 中生代白亜紀後期の約8000万〜7000万年前
産地 モンゴル 南ゴビ
複製 原標本:ロシア科学アカデミー古生物博物館
 体長が9m以上で、二足歩行する鳥脚類のうち最大級の恐竜です。平たいくちばしをもつカモノハシ竜の代表とされ、頭のまん中から後ろにむかってトサカのような骨がのびています。この骨は、北アメリカから発見されるパラサウロロフスのように中が空ではありません。この標本では見えませんが、上下のアゴには、たて長の歯が2〜3列に石垣のようにたくさん並んでいて、植物を切りさきながらかみつぶすような仕組みになっています。

パラサウロロフスの左下アゴと歯

学名 Parasurolophus walkeri
分類 爬虫綱 主竜亜綱 鳥盤目(鳥脚類)
時代 約8000万〜6500万年前(白亜紀後期)
産地 アメリカ モンタナ
複製 
 サウロロフスと同じく、上下のアゴにはデンタル・バッテリーとよばれるたくさんのひし形の歯が並んでいて、外側(手前側)の古い歯がけずれて内側(鏡側)の新しい歯におきかわっていく仕組みになっています。また、上下の歯がすりあわさって、植物の繊維をすりつぶして食べます。

モンゴルゴビの地層の重なりと産出する恐竜化石(イラストパネル)

モンゴルゴビの地質図(イラストパネル)

モンゴル南ゴビに恐竜化石を求めて(ビデオ)

恐竜の卵恐竜の卵

 恐竜などの爬虫類は、陸上に卵を産むようになった最初の脊椎動物です。陸上は水の中にくらべて温度変化がはげしく、水分の蒸発も多く、体もささえなくてはなりません。恐竜や鳥類のような石灰の殻でおおわれた卵は、生まれたての生命をこのきびしい環境から守るためのカプセルです。この卵があったからこそ、恐竜は陸上で繁栄することができました。

●有羊膜卵のしくみ  爬虫類や鳥類の卵には卵黄と赤ちゃんのもとになる胚と、羊膜腔と尿膜腔という袋があります。胚は羊膜腔の中を満たした海水に似た羊水の中にあって、卵黄から栄養をとり、老廃物を尿膜腔にすてます。このような卵を有羊膜卵といいます。

巨大で細長い卵化石

学名 Macroelongatoolithus xixia
時代 白亜紀前期(約1億4000万〜9700万年前)
産地 中国の河南省
複製 中国科学院
 中国の河南省の下部白亜系から発見された巨大なたまごの化石で、最大のもので長さが54cmのものまであります。2つ一組で13組以上のたまごが輪をえがくように並んで発見されました。タルボサウルスのような大型の肉食恐竜のたまごという説もあります。

プロトケラトプスの誕生(造形)

球形の恐竜の卵化石の産状

学名 Elongatoolithus frustrabilis
時代 約8500万〜7700万年前(白亜紀後期)
産地 モンゴル 南ゴビ
複製 原標本:アメリカ自然史博物館
 モンゴルのバヤンザクの炎の崖の白亜紀後期の地層から発見された卵化石です。2つ一組で放射状に輪をえがいて2〜3層に重ねて産みつけられています。長いあいだプロトケラトプスの卵と考えられてきましたが、「卵泥棒」と呼ばれたオヴィラプトルの卵である可能性もあります。

細長いたまごの化石 Protoceratopsidovum fluxuosum

 モンゴルの上部白亜系から発見された長さが15cmほどの細長い形のたまごで、殻の表面には細かなしわがあります。プロトケラトプスが発見されるところから多く発見されています。

方解石の結晶で満たされたたまご化石 Dendroolithus microporosus

 モンゴルの上部白亜系から発見された球形のたまごの化石で、殻が厚く、殻の表面に模様がほとんどみられないという特徴をもちます。表面にはまわりの地層の粗い砂がこびりつき、たまごの中は地層の中にうまっているときにできた方解石の結晶で満たされています。

殻の表面に模様のあるたまご化石 Megaloolithus sp.

 フランスの上部白亜系から発見された長さが18cmほどのラグビーボールのような形をしたたまご化石で、殻の表面はざらざらしていて細かな模様がみれます。これは殻の表面にある空気孔のもりあがりがつくる模様です。このたまご化石は長い尾と首をもつヒプセロサウルスという竜脚類のたまごと考えられていました。

トロオドンの卵と胚

学名 Utahraptor ostrommaysi
分類 爬虫綱 主竜亜綱 竜盤目(獣脚類)
時代 約8000万〜7000万年前(白亜紀後期)
産地 アメリカ モンタナ
複製
 アジアと北アメリカで発見される小型の獣脚類で、頭の比較的大きいのが特徴です。卵化石の上におとなのトロオドンがある状態で発見され、かつ卵の中から胚(ふ化する前の赤ちゃん)が発見されました。

ヴェロキラプトルの誕生(造形)

プロトケラトプスの誕生(造形)

ヒプシロフォドンの誕生(造形)

恐竜骨格の化石

アロサウルスの頭骨

アロサウルスの頭骨

学名 Allosaurus fregilis
分類 爬虫綱 主竜亜綱 竜盤目(獣脚類)
時代 約1億5700万〜1億4500万年前(ジュラ紀後期)
産地 アメリカ ユタ
複製 原標本:アメリカ自然史博物館
 体長12mにもなるジュラ紀後期の代表的な肉食恐竜で、体が大きいわりに身軽だったと考えられています。目の上に角状の突起があります。巨大なアゴは大きく開き、曲がった鋭い歯でえものの肉を切りさいて、のみ込むことができました。

イグアノドンの頭骨

イグアノドンの頭骨

学名 Iguanodon bernissartensis
分類 爬虫綱 主竜亜綱 鳥盤目(鳥脚類)
時代 約1億3500万〜1億1000万年前(白亜紀前期)
産地 ベルギー エイノー ベルニサール
複製 原標本:ベルギー王立自然史博物館
 1822年ころイギリスで歯の化石だけが発見され、イグアナの歯に似ていたことから「イグアノドン」と名づけられました。その後、ベルギーの鉱山でたくさんの完全な全身骨格が発見され、体長9m、体重が7トンの植物食の鳥脚類の恐竜ということが明らかになりました。

カマラサウルスの頭骨

カマラサウルスの頭骨

学名 Camarasaurus supremus
分類 爬虫綱 主竜亜綱 竜盤目(竜脚類)
時代 約1億5700万〜1億4500万年前(ジュラ紀後期)
産地 アメリカ ユタ
複製 原標本:アメリカ自然史博物館
 背骨の中に中空の室をもつことから、「小室をもつトカゲ」という名前がついた植物食の恐竜で、他の竜脚類の恐竜にくらべて体が尾と首も短めで、厚みがあります。体長は18m以下で、体重は18トンと考えられています。口には、平らで厚いスプーンのような形の歯が48本ついていてます。
イラスト 作画:ヒサクニヒコ

モンゴルの恐竜化石

プロトケラトプスの足

 モンゴル南ゴビのツグリキンシレで発見された化石で、中足骨から指骨の部分が残されています。

プロトケラトプスの下アゴ

 下アゴには歯がびっしりとくっつき合って、ブラシのようになり、歯には縦にすじがあり、植物繊維を切りさきやすいようになっています。

ガリミムスの手

 ガリミムスは、白亜紀の最後の時代にモンゴルの南ゴビにいた最大のダチョウ型恐竜です。この化石はモンゴル南ゴビの白亜紀末期の地層から発見されたものです。

プシタッコサウルスの下アゴ

 体長1.5mほどの小型の恐竜で、オウムのようなくちばしをもっていました。この化石はモンゴル角竜の祖先と考えられています。この化石はモンゴル南ゴビの白亜紀前期の地層から発見されました。

歯や皮膚の化石

デイノドンの歯

学名 Deinodon tidoe
分類 爬虫綱 主竜亜綱 竜盤目(獣脚類)
時代 白亜紀後期(約9700万〜6500万年前)
産地 ロシア カプサイ
 「恐ろしい歯」と呼ばれる肉食恐竜の歯で、歯の先はとがり、肉を切りさくナイフのようにふちには小さなぎざぎざがあります。

サウロロフスの皮ふ

 皮ふの化石が残ることは珍しく、サウロロフスの皮ふはうろこ状だったことがわかります。

ティラノサウルスの脳の形

 ティラノサウルスの頭骨の脳の部分の型をとったもので、小さいけれど恐竜の脳としては最大の大きさです。大脳のふくらみが弱く細長いことと、においを感じる臭球が大きいという特徴があります。

恐竜のふん石

 恐竜のふんが固まったものと思われる化石です。

サウロロフスのひづめ

 サウロロフスの足の指先は、ひづめのような形をしています。

タルボサウルスの爪

タルボサウルスの関節

タルボサウルスの歯

 断面が丸い形をしていて、肉を切りさくナイフのように側面に細かなぎざぎさがついています。

ラプトルの肢と爪

オトゥニエリアの足

学名 Othnielia rex
分類 爬虫綱 主竜亜綱 鳥盤目(鳥脚類)
時代 約1億4500万年前(ジュラ紀後期)
産地 アメリカ コロラド
複製
 小型で細身の動きのすばやいヒプシロホドン科の恐竜で、歯の形などから植物食かまたは昆虫食だったと考えられています。

アロサウルスの手

学名 Allosaurus fragilis
分類 爬虫綱 主竜亜綱 竜盤目(獣脚類)
時代 約1億4900万年前(ジュラ紀後期)
産地 アメリカ コロラド
複製

ユタラプトルの足

学名 Utahraptor ostrommaysi
分類 爬虫綱 主竜亜綱 竜盤目(獣脚類)
時代 約1億2500万年前(白亜紀前期)
産地 アメリカ ユタ
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 ヴェロキラプトルやデイノニクスなどのドロマエオサウルス科の恐竜で、足の第2指に大きなカマのような鉤爪になっています。この爪は歩くときには地面からもち上げていたと考えられています。

ユタラプトルの手 (爪のついた第3指)

学名 Utahraptor ostrommaysi
分類 爬虫綱 主竜亜綱 竜盤目(獣脚類)
時代 約1億2500万年前(白亜紀前期)
産地 アメリカ ユタ
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ヴェロキラプトルの足

学名 Velociraptor sp.
分類 爬虫綱 主竜亜綱 竜盤目(獣脚類)
時代 約8500〜8000万年前(白亜紀後期)
産地 モンゴル 南ゴビ
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 足の第2指に大きなカマのような鉤爪になっていて、この爪は関節で上にもち上げてられていました。ヴェロキラプトルなどのドロマエオサウルス科の恐竜は脳が大きく、ゆ合鎖骨と骨化した胸骨をもち、恥骨が後方へ向くなど、鳥類の特徴をもっています。

恐竜の足跡恐竜の足跡

恐竜の足跡

 この足跡はアメリカ自然史博物館によってテキサス州の白亜紀の地層から発見されたものの復元模型を、恐竜が立っているときの足の位置に並べてつくったものです。この足跡をつけた恐竜はアパトサウルス(ブロントサウルス)のような竜脚類で、後足の跡は前足にくらべ大きく、最大のもので長い辺が83cmで深さが32cmもあります。足跡は体の軸に対してやや外側に開いています。この恐竜が歩いたときは、前足のすぐ後ろに後足の跡がつきます。

アパトサウルスの歩く姿(造型)

恐竜の歯

 恐竜の歯はそれぞれの恐竜の食べものちがいや食べ方などによって、いろいろな形があります。肉食恐竜の歯は、肉を切りさくためにナイフのような形をしていて、その刃にあたる部分に細かなぎざぎざがあり、肉が切りやすくなっています。また植物食の恐竜の歯には、ただ葉をむしり取るようなスプーン状や棒状のものや、かたい植物繊維を切るために尖った稜をもつものやひし形のものもあります。

セラトサウルスの上アゴ

学名 Ceratosaurus nasicornus
分類 爬虫綱 主竜亜綱 竜盤目(獣脚類)
時代 約1億4900万年前(ジュラ紀後期)
産地 アメリカ コロラド
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 アロサウルスより小さいが全長6mになる肉食恐竜です。この標本は上アゴの一部にあたり、歯も観察できます。

レバキオサウルスの歯

学名 Rebbachiosaurus sp.
分類 爬虫綱 主竜亜綱 竜盤目(竜脚類)
時代 約1億1500万年前(白亜紀前期)
産地 モロッコ タオウズ
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アロサウルスの歯

学名 Allosaurus fragilis
分類 爬虫綱 主竜亜綱 竜盤目(獣脚類)
時代 約1億5000万年前(ジュラ紀後期)
産地 アメリカ ユタ
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ティラノサウルスの歯

学名 Tyrannosaurus rex
分類 爬虫綱 主竜亜綱 竜盤目(獣脚類)
時代 約7000万〜6500万年前(白亜紀後期)
産地 アメリカ ユタ
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トリケラトプスの歯

学名 Triceratops horridus
分類 爬虫綱 主竜亜綱 鳥盤目(角竜類)
時代 約7000万年前(白亜紀後期)
産地 アメリカ モンタナ
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カマラサウルスの歯

学名 Camarasaurus sp.
分類 爬虫綱 主竜亜綱 竜盤目(竜脚類)
時代 約1億5000万年前(ジュラ紀後期)
産地 アメリカ ユタ
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翼竜 Pterosaurus

 翼竜は恐竜と同じ時代に生きた爬虫類ですが、恐竜の仲間ではなく、鳥と同じように空を飛びますが鳥の先祖でもありません。翼竜の最大のものは翼長が8mにおよぶものがあります。

プテロダクチルス

学名 Pterodactylus spectabilis
分類 爬虫綱 翼竜目
時代 ジュラ紀
産地 ドイツ ゾルンホーヘン
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バトラコグナトゥス

学名 Batrachognathus volans
分類 爬虫綱 翼竜目
時代 ジュラ紀後期
産地 ロシア カラタウ
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アンハングエラ

アンハングエラ

学名 Anhanguera blittersdorffi
分類 爬虫綱 翼竜目
時代 白亜紀前期(約1億4000万〜9700万年前)
産地 ブラジル セアラ アラリペ
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 原住民の言葉で「年老いた悪魔」という意味の名前がついた大型の翼竜で、翼をひろげると約5mにもなります。口には歯があり、くちばしの上にとさかがあり、水面すれすれに飛んでくちばしを水中に突っ込んで魚をとらえていたと考えられています。

しらべてみよう・ためしてみよう
しらべてみよう・ためしてみよう

恐竜なんでも百科

恐竜の色ともよう

色ともようの2枚の円盤をまわしていろいろな色ともようの恐竜をつくってみましょう。
 恐竜の皮ふの化石はありますが、外皮の色やもようまでは残念ながら残っていません。そのため、恐竜の色やもようについてはほとんどわかっていません。中生代のあいだ哺乳類は、恐竜の動きまわる昼をさけて夜に生活していたために、ヒト以外のほとんどものが白黒で見ています。しかし、爬虫類はそのようなことはなくカラーで目が見えているため、恐竜は哺乳類のように地味な色合いのものだけでなく、もっとカラフルな色やもようをしていたかもしれません。

恐竜の足跡しらべ



恐竜と鳥
獣脚亜目の系統と鳥類

鳥は恐竜の子孫か?

 恐竜は今から6500万年前の白亜紀の終わりに絶滅したと思われていましたが、最近では鳥類が恐竜の子孫の生き残りと考えられるようになりました。すなわち、鳥類は竜盤目獣脚亜目のティラノサウルスやオビラプトルがふくまれるマニラプトル形類のうち、ドロマエオサウルス科との共通祖先から進化したと考えられています。
 鳥類の特徴として、@ゆ合鎖骨をもつ、A手に3本の指をもつ、B恥骨が後ろ下方に向く、C手首を回転させるための半月形の手根骨をもつ、D羽毛をもつという5点があげられますが、獣脚亜目にふくまれる恐竜の多くがゆ合鎖骨と3本指をもっていて、恥骨の特徴はマニラプトル形類の恐竜と同じで、半月形の手根骨はドロマエオサウルス科がもっています。さらに最近では原始的な鳥類の化石にまじって羽毛をもつ恐竜化石が発見されました。
イラスト 獣脚亜目の系統と鳥類

恐竜と始祖鳥と鳥の骨格

始祖鳥と鳥

 始祖鳥は羽毛と翼はあるものの、骨格のつくりは小型の肉食恐竜にそっくりです。始祖鳥の骨格とそれぞれ対応するハトの骨格とをくらべると、大きなちがいがみられます。現在の鳥では、尾は短くなり、頭骨は大きくてゆ合しています。手の骨はゆ合し、指は短くなっています。肋骨は結びつけられていて、胸骨は大きくなり。はばたくときの筋肉がしっかりとつくようになっています。
イラスト 恐竜と始祖鳥と鳥の骨格

コンプソグナトゥス

学名 Compsognathus longipes
分類 爬虫綱 主竜亜綱 竜盤目(獣脚類)
時代 ジュラ紀後期(約1億5500万〜1億5200万年前)
産地 ドイツ バイエルン
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 もっとも小さい恐竜とされ、全長約70cm。大腿骨は短く、そのわりにひざから下が長く、足がはやかったと考えられる。鳥と類縁の深い、マニラプトル形類に近い原始的な小型の獣脚類。

始祖鳥

学名 Archaeopteryx lithographica
分類 鳥綱 始祖鳥目
時代 約1億5000万年前(ジュラ紀後期)
産地 ドイツ ババリア
複製 原標本:フンボルト大学自然史博物館
 これは1877年に発見された、始祖鳥の第2標本のレプリカです。始祖鳥は羽毛をもっていますが、歯があり長い尾をもつこと、また胸骨が未発達で3本の爪のある前肢などがあることなど、まだ恐竜の特徴を多くもっています。

孔子鳥

学名 Confuciusornis dui
分類 鳥綱
時代 約1億3500万〜1億1000万年前(白亜紀前期)
産地 中国
複製 原標本:中国科学院
 中国のジュラ紀後期から白亜紀前期の地層からは、最近たくさんの鳥類の化石が発見されています。この孔子鳥はその中のひとつで、白亜紀はじめの鳥の進化や恐竜との類縁関係などの研究にとって重要な化石とされています。


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初回登録:2002-05-30
最終更新: