タイトル(展示:2階)展示:2階
タイトル(2階)

 このエリアは、中生代の海に生きた生物や新生代に発展した私たちヒトを 含む哺乳類、そして氷期の世界の動物と自然がテーマとして展示してあります。

●2階の展示

中生代

中生代の海

アンモナイト中生代の海

 中生代は、地球上どこでも同じようにとても暖かく、陸上には裸子植物や恐竜、空には翼竜、海にはサンゴ礁がひろがり、魚竜や首長竜などの爬虫類とアンモナイトが繁栄していました。中生代の後半からは、大規模な火山活動、造山運動がさかんになり、新しい時代にさかえる被子植物や鳥、哺乳類、石灰質プランクトン、硬骨魚類などの生物が出現してきました。

アンモナイト(プラセンチセラス)

学名 Placenticeras sp.
分類 軟体動物 頭足綱
時代 白亜紀前期(約1億4000万〜9700万年前)
産地 メキシコ

ステノプテリギュウスステノプテリギュウス

学名 Stenopterygius quadricissus
分類 爬虫綱 魚鰭亜綱
時代 ジュラ紀前期(約2億1000万〜1億8500万年前)
産地 ドイツ ホルツマーデン
複製 
 この仲間は、もっとも水中生活に適応した爬虫類で、いわゆる魚竜と呼ばれます。体の形が現在のイルカやマグロと同じ紡錘型で泳ぐ力が強かったと思われます。化石の中には胎児を生む状態で化石化したものもあり、卵胎生でした。

モササウルスにかまれたアンモナイト

 白亜紀の時代の海にはモササウルスという大トカゲがすんでいました。この大トカゲは、体長5〜10メートルにもなり、歯が鋭く、サカナや貝を食べていました。ここに展示したアンモナイトもモササウルスの餌食になったのでしょう、モササウルスの歯型が残っています。
イラスト アンモナイトをかむモササウルス

モササウルス

学名 Mosasaurus sp.
分類 爬虫綱 有鱗目 トカゲ亜目
時代 白亜紀後期
産地 アメリカ カンサス

プラセンチセラス

学名 Placenticeras sp.
分類 軟体動物 頭足綱
時代 白亜紀後期
産地 カナダ アルバータ

エリオスクス

学名 Eryosuchus trerdochlebovi
分類 両生綱 迷歯目
時代 三畳紀(約2億5000万〜2億1000万年前)
産地 ロシア ウラル川流域
 サンショウウオに似た動物で、湖や川の底で生活し、魚をえさにしていました。

クラドキクルス

学名 Cladocyclus gardneri
分類 硬骨魚綱 条鰭亜綱 真骨上目
時代 白亜紀前期(1億4000万〜9700万年前)
産地 ブラジル、サンタナ
 白亜紀の海にすんでいた大型の硬骨魚類で、体長が 120cmもありました。この仲間の魚は白亜紀の全世界の海で繁栄しましたが、白亜紀の終わりに絶滅しました。

三畳紀 Triassic period

 今から約2億5000万〜2億1000万年前
 ドイツに分布するこの時代の地層は、下から赤色砂岩、石灰岩、雑色砂岩の3つの地層の重なりでできていることから、三畳紀という名前がつきました。三畳紀には大陸が広くひろがり、砂漠も広い範囲にあったと思われます。そのため、中生代になると水がないと卵をかえせない両生類は衰え、かたい殻のある卵を産み陸上で生活できる爬虫類がさかえはじめました
イラスト:三畳紀の海と陸の分布

赤色砂岩

 この砂岩はオーストラリアの三畳紀のものですが、三畳紀の地層には、赤色の砂岩が世界中に広く分布しています。この砂岩の砂は乾燥した砂漠などでできて、砂漠や川の扇状地に堆積しました。このことから、三畳紀には大陸に砂漠や乾燥地域が広く分布したと考えられます。

セラタイテス

学名 Ceratites sp.
分類 軟体動物 頭足綱
時代 三畳紀
産地 ドイツ

アカントセラタイテス

学名 Acanthoceratites sp.
分類 軟体動物 頭足綱
時代 三畳紀
産地 ドイツ

クラドフレビス

学名 Cladophlebis sp.
分類 シダ植物
時代 三畳紀後期
産地 山口県美祢市
 クラドフレビスとは、シダ植物の真正ゼンマイ科の葉に似ている中生代の化石につけられた名前で、どういう植物に属するか正確にはわかりません。

ジュラ紀 Jurassic period

今から約2億1000万〜1億4000万年前
 スイスとフランスの国境にあるジュラ山脈に分布する地層をもとに設定された地質時代です。ジュラ紀はとくに温暖で、世界中でどこでも同じような植物や動物がすんでいたようで、植物ではソテツなどの裸子植物が繁茂し、恐竜がさかえました。また、この時代は地球上に大規模な火山活動や隆起運動など新しい地殻変動がはじまり、生物では始祖鳥や哺乳類なども出現しました。
ジュラ紀の海と陸の分布

レイネシア

学名 Reinecia sp.
分類 軟体動物 頭足綱
時代 ジュラ紀
産地 フランス

ダクチリオセラス

学名 Dactylioceras sp.
分類 軟体動物 頭足綱
時代 ジュラ紀
産地 ドイツ

シマトフレビア

学名 Cymatophlebia longialata
分類 節足動物 昆虫綱(トンボ)
時代 ジュラ紀
産地 ドイツ バイエルン

トリゴニア

学名 Torigonia interlaevigata
分類 軟体動物 二枚貝綱
時代 ジュラ紀
産地 ドイツ

白亜紀(Cretaceous period) 今から約1億5000万〜6500万年前

 フランスとイギリスの間のドーバー海峡の両岸には、チョークと呼ばれる石灰の泥などからなる石灰岩が分布しています。この白い地層をもとに設定された地質時代が白亜紀で、白亜紀にはチョークのたまる海が陸地の奥まで広がっていました。白亜紀の中ごろからは、植物では裸子植物にかわって被子植物が分布をひろげ、鳥や哺乳類、硬骨魚類もだんだんと多くなっていきました。また、はげしい火山活動や地殻変動が太平洋をとりまいてはじまりました。
白亜紀の海と陸の分布

頭足類の系統

 アンモナイトは主に中生代にさかえた頭足類(イカ・タコ)の仲間です。中生代の地層から化石として見つかることが多く、よく調べらています。アンモナイトの一番外側の殻をはずすと、部屋と部屋とのしきいの線の模様がでてきます。この模様はちょうど菊の花びらのような形をしているので、アンモナイトは「菊石」と呼ばれます。新しい時代のアンモナイトほどこの菊の模様が細かく複雑な形をしています。
イラスト 頭足類の系統

アカントセラス

学名 Acanthoceras sp.
分類 軟体動物 頭足綱
時代 白亜紀
産地 アメリカ テキサス

アナパキディスカス

学名 Anapachydiscus sp.
分類 軟体動物 頭足綱
時代 白亜紀後期
産地 北海道三笠市

ポリプティコセラス

学名 Polyptychoceras haradanum
分類 軟体動物 頭足綱
時代 白亜紀後期
産地 北海道夕張市

ゴウドリセラス

学名 Goudriceras denseplicatum
分類 軟体動物 頭足綱
時代 白亜紀後期
産地 北海道夕張市

テトラゴニテス

学名 Tetragonites glabrus
分類 軟体動物 頭足綱
時代 白亜紀後期
産地 北海道小平町

ユーパキディスカス

学名 Eupachydiscus sp.
分類 軟体動物 頭足綱
時代 白亜紀
産地 北海道苫前町

プラセンチセラス

学名 Placenticeras whitfieldi
分類 軟体動物 頭足綱
時代 白亜紀
産地 アメリカ サウスダコタ

ジンボイセラス

学名 Jimboiceras sp.
分類 軟体動物 頭足綱
時代 白亜紀後期
産地 北海道苫前町

ホプロスカフィテス

学名 Hoploscaphites nicolletti
分類 軟体動物 頭足綱
時代 白亜紀後期
産地 アメリカ サウスダコタ

ニッポニテス

学名 Nipponites bacchus
分類 軟体動物 頭足綱
時代 白亜紀後期
産地 北海道羽幌町

石灰岩

時代 白亜紀
産地 第一鹿島海山

オルビトリナ

学名 Orbitolina lenticuralis
分類 原生動物 有孔虫亜綱
時代 白亜紀
産地 第一鹿島海山山頂
中生代の白亜紀中ごろにさかえた大型有孔虫で、現在の星砂のようにサンゴ礁にすんでいました。

生きている化石

生きている化石コーナー

生きている化石

 過去の地質時代にさかえた生物で、現在でもほそぼそながら生きつづけているものを「生きている化石」と呼びます。生きている化石は、過去の生物の形や生活などを教えてくれると同時に、過去の生物の分布や進化についても多くのことを教えてくれます。

シーラカンスシーラカンス

学名 Coelacanthus banffensis
分類 総鰭綱 シーラカンス目
時代 三畳紀
産地 カナダ
 シーラカンスは古生代デボン紀に現われ、中生代に絶滅したと考えられていましたが、1938年に南アフリカの沖で生きているものが発見されました。シーラカンスは強いひれをもち、脊椎動物の上陸を考える上で重要な生きている化石です。

カブトガニカブトガニ

 カブトガニは三葉虫から枝分かれして古生代のシルル紀(約4億年前)に栄えた節足動物の剣尾類です。現在では北アメリカと日本、マレー半島に5種類しか生きていません。カニと名前がついていますが、むしろクモに近い動物です。

かぶとがに

学名 Tachypleus tridentatus
分類 節足動物 範口綱
現生
産地 大分県別府湾

かぶとがにの化石

学名 Mesolimulus walchi
分類 節足動物 範口綱
時代 ジュラ紀
産地 ドイツ

オウムガイオウムガイ

 古生代はじめに栄えたオウムガイは、中生代に栄えたアンモナイトとともに、頭足類(イカ・タコ)の仲間です。アンモナイトは中生代の終わり(約6500万年前)に絶滅してしまいましたが、オウムガイは現在でもインド洋、南太平洋の深海に6種すんでいます。

おうむがい

学名 Nautilus pompilius
分類 軟体動物 頭足綱
現生
産地 パラオ

おうむがい(液浸標本)

学名 Nautilus pompilius
分類 軟体動物 頭足綱
現生
産地 パラオ

ユートレフォセラス

学名 Eutrephoceras dekayi
分類 軟体動物 頭足綱
時代 白亜紀
産地 アメリカ サウスダコタ

哺乳類の時代

哺乳類の時代
哺乳類の発展

哺乳類の時代

 新生代(今から 6500万年前から現在)に入ると、陸上の動物では恐竜が絶滅し、哺乳類が大発展します。哺乳類はこの時代を代表する動物です。新生代には哺乳類以外にも、鳥類や海では真骨魚類も新生代に大発展した動物です。これらの動物は、それ以前の時代にはほとんど見られなかったものです。
イラスト哺乳類の発展

哺乳類の頭骨

サハリノケトスサハリノケトス

学名 Sachalinocetus cholmicus
分類 哺乳綱 鯨目
時代 第三紀中新世(約2500万年〜510万年前)
産地 ロシア サハリン
原標本:ロシア科学アカデミー古生物博物館
 体のあまり大きくないクジラの仲間の上アゴの化石と考えられます。クジラ類は、哺乳動物の中で水中生活にもっとも適応したものですが、古い時代の化石があまり残っていないために、その先祖についてはよくわかっていません。

エンテロドンエンテロドン

学名 Entelodon major
分類 哺乳綱 偶蹄目
時代 第三紀始新世〜中新世前期(約5500万年〜1600万年前)
産地 ロシア 中央カザフスタン
原標本:ロシア科学アカデミー古生物博物館
 体長 3m、高さ1.5mもある大きなイノシシの仲間で、大きな頭と強いあごと歯をもっていました。雑食性でなんでも食べていました。エンテロドンは原始的なイノシシですが、現在生きているイノシシとは類縁が遠いと考えられています。

エンボロテリウムエンボロテリウム

学名 Enbolotherium sp.
分類 哺乳綱 奇蹄目
時代 第三紀漸新世(約3800万年〜2500万年前)
産地 モンゴル ゴビ
原標本:ロシア科学アカデミー古生物博物館
 大きさはゾウくらいで、形はサイに似ています。そり返った長い鼻の骨が特徴です。体を水の中に入れ、鼻の先だけ水の上に出し、かくれたりしていました。また、鼻の骨は、相手を攻撃するときの武器にも使えました。湖や沼のまわりにすんでいて、やわらかくて水分の多い植物を食べていました。

キロテリウムキロテリウム

学名 Chilotherium sp.
分類 哺乳綱 奇蹄目
時代 第三紀中新世〜鮮新世(約2500万年〜163万年前)
産地 ロシア 西シベリア
原標本:ロシア科学アカデミー古生物博物館
 サイの仲間で、胴のまわりが丸く、耳、口は大きく、下アゴが前方に突き出しています。角があるものはオスと考えられています。沼や川のまわりにすみ、植物の根などを土の中から掘りおこして食べていました。それは、前方に突きでた下アゴと歯から推定することができます。

エラスモテリウムエラスモテリウム

学名 Elasmotherium sibiricum
分類 哺乳綱 奇蹄目
時代 第三紀鮮新世〜第四紀更新世(約510万年〜1万年前)
産地 ロシア ボルガ川
 ユーラシア大陸にすんでいた、体長 4.5mもある大きなサイの仲間で、角は 1.5mもの長さがありました。歯の列は硬い草をかむのに便利なように並んでいます。広い草原地帯の川べりにすんで、やや硬い植物を食べていたと考えられています。

ウマの進化

 現在のウマは、指が中指にあたる指1本しかありませんが、もともと指が3本ある奇蹄類の仲間から進化しました。ウマの祖先は、森にすみ葉を食べていましたが、新第三紀になり草原が広がったことから、草原でくらすようになりました。そのため、歯は草を食べるに適した形になり、はやく走れるように指が3本から1本になりました。

エオヒップス

学名 Eohippus ventricolus
分類 哺乳綱 奇蹄目
時代 始新世前期(約5500万〜5000万年前)
産地 アメリカ ワイオミング
複製
1.右の前足   2.左の後足

メソヒップス

学名 Mesohippus bairdu
分類 哺乳綱 奇蹄目
時代 漸新世中期(約3700万〜3000万年前)
産地 アメリカ サウスダコタ
複製
1.右の前足   2.左の後足

ミオヒップス

学名 Miohippus interrnedius
分類 哺乳綱 奇蹄目
時代 漸新世後期(約3000万〜2500万年前)
産地 アメリカ サウスダコタ
複製
1.右の前足   2.左の後足

メリヒップス

学名 Meryhippus sejunctus
分類 哺乳綱 奇蹄目
時代 中新世中期(約1800万〜1100万年前)
産地 アメリカ コロラド
複製
1.右の前足   2.左の後足

エクウス

学名 Equus caballus
分類 哺乳綱 奇蹄目
時代 現在
産地 アメリカ
1.左の前足   2.右の後足

ゾウの発展

 ゾウの仲間は、現在インドゾウとアフリカゾウの2種類しかいませんが、草原が広がった今から約510万〜163万年前の鮮新世にはたくさんの種類が生きていました。ゾウの仲間は、3000万年前ころアフリカに生まれ、さまざまに体型をかえながら、ユーラシア大陸からアメリカ大陸に渡り、発展しました。
イラスト ゾウの発展と分布の拡大
イラスト 長鼻類の系統

プラチペドロンの臼歯

学名 Platybelodon sp.
分類 哺乳綱・長鼻目
時代 第三紀中新世(2250万年〜510万年前)
産地 中央アジア
 現在のゾウの祖先にあたり、下あごがシャベルのように突き出た形をしていて、草をかみくだくのに適していたと思われます。体長2.6bと小さく、頭は長く、鼻は現在のゾウより短かったと考えられます。沼や川にすみ、もっぱら水草を食べていました。

ジィゴロフォドンの臼歯

学名 Zygolophodon borsoni
分類 哺乳綱 長鼻目
時代 第三紀鮮新世(510万年〜163万年前)
産地 アルジェリア
 ヨーロッパと中国から化石が知られる、肩の高さが2〜3mで、頭骨は低くて長い形をしていて、足が短いゾウです。

マストドンの臼歯

学名 Mastodon sp.
分類 哺乳綱 長鼻目
時代 第四紀(約163万年前〜現在)
産地 アメリカ フロリダ
 ジィゴロフォドンとは近縁ですが、マストドンは北アメリカでさかえ、今から約8000年前まで生きていました。

ナウマンゾウ

 ナウマンゾウは、氷河時代の後半(約30万〜2万年前)に日本にすんでいたゾウです。ナウマンゾウという名前は、静岡県浜松市で発見された化石からつけられた名前で、今までに約 130カ所以上もの場所で見つかっています。ナウマンとは、明治のはじめに日本の地質学の基礎をきづいたエドモンド・ナウマン氏の名前につなんでつけられました。

ナウマンゾウの臼歯

学名 Palaeoloxodon naumanni
分類 哺乳綱 長鼻目
時代 第四紀更新世(約163万〜100万年前)
産地 瀬戸内海

古第三紀

ヘビの進化

 ヘビは恐竜とおなじ爬虫類ですが、恐竜が滅んだあとの哺乳類のさかえた新生代、とくに始新世になって本格的に発展した動物です。ヘビは哺乳類の天敵として発展しました。ヘビはその長い体で哺乳類の横隔膜をしめつけることを武器とし、また中新世後期以降は毒牙や夜でも熱を感知できるビット管という武器をもつ毒蛇が現れました。

へびの化石

分類 爬虫綱 有鱗目 ヘビ亜目
時代 始新世
産地 ドイツ メッセル

貨幣石(ヌムリテス)

学名 Nummulites boninensis
分類 原生生物 根足虫綱 有孔虫亜綱
時代 始新世
産地 東京都小笠原諸島 母島
 始新世に栄えた大型有孔虫で、その微球型の形がコインのように厚く大きな円盤状をしていることから、「貨幣石」と呼ばれます。サンゴ礁や浅い海にすんでいました。

ナイティア

学名 Knightia sp.
分類 硬骨魚綱
時代 第三紀始新世
産地 アメリカ ワイオミング

グリキメリス

学名 Glycymeris crisshuensis
分類 軟体動物 二枚貝綱
時代 漸新世
産地 福岡県北九州市

新第三紀

レピドシクリナ

学名 Lepidocyclina japonica
分類 原生生物 有孔虫亜綱
時代 中新世
産地 静岡県中伊豆町
 第三紀の示準化石として重要な大型有孔虫で、現在沖縄などで見られる星砂のようにサンゴ礁にすんでいました。

デスモスチルスの歯

学名 Desmostylus hesperus
分類 哺乳綱 束柱目
時代 第三紀中新世(約2500万〜510万年前)
産地 アメリカ カリフォルニア
 中新世の中ごろに日本と北アメリカの太平洋岸にすんでいた動物で、のり巻きをたばねたような歯をもっています。現在生きている動物のなかでこの動物に似ているものがいないため、どのような動物だったか正確にわかっていません。

ビカリヤ

学名 Vicariya sp.
分類 軟体動物 腹足綱
時代 中新世
産地 島根県
 中新世のあたたかくて浅いマングローブの海にすんでいた巻貝で、殻には太いとげがでています。日本の中新世を代表する化石です。

オキナエビス

  学名 Perotrochus sp.
分類 軟体動物 腹足綱
時代 中新世
産地 山梨県上野原

掛川の貝化石

  時代 鮮新世(約510万〜163万年前)
産地 静岡県掛川市 家代

モミジツキヒガイ

  学名 Amussiopecten praesignis
分類 軟体動物 二枚貝綱
時代 鮮新世(約510万〜163万年前)
産地 静岡県掛川市 家代

メタセコイア

学名 Metaseqouoia occidentalis
分類 裸子植物 松柏目
時代 第三紀鮮新世
産地 兵庫県神戸市
 スギ科の落葉高木で、現生種は1種で中国に分布します。白亜紀以降、第三紀に世界に広く分布しましたが、第四紀のはじめにはほとんど姿を消しました。

トウキョウホタテ

  学名 Mizuhopecten tokyoensis
分類 軟体動物 二枚貝綱
時代 第四紀
産地 静岡県内浦湾

人類の起源と進化

人類の起源と進化

人類の起源と進化

 人類は約400万年まえの第三紀末期に草原にくらすサルから生まれ、直立二足歩行をして大きな脳をもち、道具を使い、社会をいとなみ、氷河時代に発展しました。

プロコンス・アフリカヌス

Proconsul africanus
年代:約1800万年前
脳容量:170cc
 脳が大きく尾のないサルで、現在の類人猿の祖先と考えられます。

アウストラロピテクス・アファレンシス

Australopithecus afarensis
年代:380〜300万年前
脳容量:400〜500cc
 アフリカのアファール地方から発見された猿人で足跡の化石から直立二足歩行していたと考えられます。

アウストラロピテクス・アフリカヌス

Australopithecus africanus
年代:290〜250万年前
脳容量:400〜500cc
南アフリカから発見された猿人で原人の祖先と考えられます。

ホモ・ハビリス

Homo habilles
年代:250〜160万年前
脳容量:500〜600cc
 猿人と原人の中間的な人類で、猿人の特徴を多くもっていますが、すでに石器を使っていました。

ホモ・ルドルフェンス

Homo rudlgensis
年代:250〜190万年前
脳容量:600〜800cc
 ホモ・ハビリスより大型で、脳容量も大きい人類です。

ホモ・エレクトス

Homo electus
年代:100〜30万年前
脳容量:約750〜1200cc
 原人で、集団で狩猟するような社会生活をいとなんでいました。約100万年前にアフリカを出てユーラシア大陸に広がりました。

ホモ・ネアンデルターレンシス

Homo neanderthalensis
年代:13〜3万年前
脳容量:1400〜1600cc
 ヨーロッパから西アジアにすんでいた旧人で、脳容量は現代人より大きく、体もがっしりしていました。

ホモ・サピエンス

Homo sapiens
年代:20万年前〜現在
脳容量:1350〜1450cc
 ホモ・サピエンスとは、現在の私たちと同じ(ホモ)種(サピエンス)という意味で、約20万年前にアフリカに生まれ、世界に広がったと考えられています。

プロコンス アフリカヌス

学名 Proconsul africanus
産地 ケニア(KNM-RU 7290)

アウストラロピテクス アフリカヌス

学名 Australopithecus cf. africanus
産地 タンザニア(OH-24)

ホモ ハビリス

学名 Homo habilles
産地 ケニア(KNM-ER 1813)

ホモ ルドルフェンス

学名 Homo rudlgensis
産地 ケニア(KNM-ER 1470)

ホモ エレクトス

学名 Homo electus
産地 ケニア(KNM-ER 3733)

ホモ ネアンデルターレンシス

学名 Homoneanderthalensis
産地 イスラエル(Amud I)

ホモ サピエンス

学名 Homo sapiens
日本 沖縄(Minatogawa I)

あなたの顔は祖先に似ていますか

北京原人

 約40〜50万年前のヒト属のひとつで、頭の高さは低く、まつげの下の骨がもりあがっていて、アゴの先のとんがりがありません。

ネアンデルタール人

 約20万年前のヒト属のひとつで、脳容積が現代人と同じかむしろ大きく、アゴの先のとんがりがなく、まつげの下の骨がもりあがっています。

氷期の世界

氷期の世界

ウルム氷期と現在の植生帯分布氷期の世界

 ウルム氷期(約7万〜1万年前)のころの地球は現在よりも気温が8゜Cも低く、北半球の大陸北部には大陸氷河が広く分布しました。そのため、海面は現在よりも100mほど下がりました。人類は今から約400万年前に出現し、氷期とともに、それを克服するために道具や火を利用して発展してきました。今、私たちのまわりにある自然のほとんどは、氷期とその後の温暖な時代に形成されました。私たち人類は、この自然を利用し、改良しながら生活の基盤としてきました。
イラスト ウルム氷期と現在の植生帯分布
ウルム氷期(約2万年前)
 北半球には大陸氷河やツンドラ地帯が広がり、乾燥地域もいっそう拡大しました。現在の大陸棚までが陸となっていました。

サーベルタイガーサーベルタイガー

  学名 Smilodon neogaeus
分類 哺乳綱 食肉目
時代 第四紀更新世(163万〜1万年前)
産地 アメリカ カリフォルニア
複製 原標本:ロサンゼルス郡立自然史博物館
 現生のトラとほぼ同じくらいの大きさで、上アゴに長くてサーベルのような形をした犬歯をもっています。サーベルタイガーの口は、長い犬歯を自由に使えるように大きくを開くことができました。この犬歯を使って、ゾウのように大きくて厚い皮ふをもった動物をおそったと思われます。アメリカ大陸では、マストドンゾウとともに更新世の終わりころまで生きていました。

マンモス

ケナガマンモスケナガマンモス

Woolly Mammoth
学名 Mammuthus primigenius
分類 哺乳綱 長鼻目
時代 更新世後期(13万5000年〜1万年前)
産地 アメリカ ウイスコンシン
複製 原標本:ポトマック博物館
 マンモスは約400万年前にアフリカで生まれ、氷河時代を経て、約1万年前に絶滅したゾウの仲間で、8種類が知られています。アフリカからユーラシアと北アメリカにわたって温帯の草原で発展しました。ケナガマンモスは体じゅうが毛でおおわれ、肩までの高さが3mのやや小型の種類で、更新世後期に北半球の冷温帯草原からツンドラ地帯にすんでいました。シベリアでは永久凍土層から氷づけのものが発掘されることがあります。日本では北海道から発見されています。
 この展示では、弱ったマンモスがツンドラの原野でたおれこむ姿を復元しました。

さわってみよう

マンモスの肩甲骨と下あごの化石マンモスの肩甲骨

学名 Mammuthus primigenius
分類 哺乳綱 長鼻目
時代 約35000年前(第四紀更新世)
産地 ロシア シベリア

マンモスの下アゴ

学名 Mammuthus primigenius
分類 哺乳綱 長鼻目
時代 約35000年前(第四紀更新世)
産地 ロシア シベリア

マンモスの狩人マンモスの狩人

 クロマニオン人をふくむ現生人類は、ネアンデルタール人よりさら広く分布しました。北シベリアに進出した人々はマンモスやオオツノジカを追って狩りをしました。マンモスの皮は衣服やテントに、骨は道具や家の骨組みに、肉は食料に、脂肪は燃料になりました。氷河や寒冷な気候を克服することで、人類は強くなっていきました。しかし、それと同時に今までに動物の殺しすぎや、自然を無視した自然改造が行われてきました。

マンモスの毛と臼歯マンモスの毛と臼歯

マンモスの毛

学名 Mammuthus primigenius
分類 哺乳綱 長鼻目
時代 約35000年前(第四紀更新世)
産地 ロシア シベリア

マンモスの臼歯

学名 Mammuthus primigenius
分類 哺乳綱 長鼻目
時代 約35000年前(第四紀更新世)
産地 ロシア シベリア

ケサイケサイ

学名 Coelodonta antiquitatis
分類 哺乳綱、奇蹄目
時代 第四紀更新世
産地 ロシア シベリア
 氷河時代にヨーロッパとアジアにすんでいて絶滅したサイです。体高2mで体長4m、鼻の上からひたいにかけて2本のツノをもっていて、全身はたくさんの体毛でおおわれています。シベリアの凍土層から氷づけのケサイが何頭も発見されています。

オオツノジカオオツノジカ

学名 Megaloceros giganteus
分類 哺乳綱 偶蹄目
時代 第四紀更新世後期(約70万年〜1万年前)
産地 ヨーロッパ西部
 角の広がりは2.5m、肩までの高さが2mもある大きなシカです。大きな角をささえるために、首の骨が丈夫にできていました。川や沼のまわりの湿った草原にすみ、冬になると南に移動しました。マンモスと同じように旧石器時代の人々の獲物となってほろんでしまいました。

ステラーカイギュウステラーカイギュウ

学名 Hydrodamalis gigas
分類 哺乳綱 海牛目
時代 第四紀完新世(1万年前〜200年前)
産地 ロシア ベーリング島
複製 原標本:ロシア科学アカデミー古生物博物館
 1741年に、ロシア帝国の命を受けたステラーを隊長とするシベリア探検隊がカムチャツカのベーリング島で巨大なカイギュウ(海牛)を発見しました。このカイギュウは、現在見られる他のカイギュウの仲間(ジュゴンなど)とくらべて体がとても大きく、歯がないという特徴をもっています。入り江にすみ、海藻を食べていたおとなしいカイギュウでした。しかし、発見と同時に乱獲されて、1768年にこのカイギュウは絶滅してしまいました。


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初回登録:2002-05-30
最終更新: