オンデンザメ Sominosus pacificus Whitley, 1939
全長290cm雄.駿河湾の深海底延縄にて採集(長兼丸船長長谷川氏に感謝します).2009年3月に捕獲され,5月6日に東海大学海洋科学博物館にて海洋生物学科田中教授解説のもと,公開解剖を行った様子です.全長7mに達するとも言われる深海でも大型のサメです.日本における研究例は少なく,非常に貴重な標本です.雄の特徴である交接器は小さく未発達の若い個体でした.肝臓は深海ザメ特有の非常に大型で脂質を多く含んでいました.胃から腸の間にある特徴的な盲嚢を観察できました.別種のオンデンザメの仲間と比較するため,外部形態や歯数,腸のらせん弁を計測しました.食性解析のため胃を切開しましたが,内容物は見られませんでした.形態・DNA・化学物質の蓄積状況など,詳細なデータに関しては今後の研究資料として別途報告されます.また,標本は東海大学海洋科学博物館で液浸標本として保存されます.
 東海大学のすぐ裏にある駿河湾には様々な深海生物が生息しており,まだまだわからないことがたくさんあります.東海大学ではサメ類をはじめ様々な深海生物の不思議を紐解くための研究を行っております.海洋生物について学びたい!研究したい!という学生は是非オープンキャンパスなどで東海大学海洋学部海洋生物学科を訪ねて来てください.

オンデンザメ解剖注意!一部凄惨な写真があります。心臓の悪い方などご遠慮ください。