水中ロボット・有手海 ARTEMI

小型軽量(32kg)な水中6自由度グリッパロボットを開発しています. 従来,水中において器用なハンドリング作業を行おうとすると, マニピュレータを持つ大型高重量なロボットシステムを必要としました.

本研究では,システム全体の軽量化・小型化が図れるように, マニピュレータのグリッパ部分(手首より先の部分)だけが単体で独立に動作するイメージでロボットを開発しています. このグリッパロボットは,6自由度の運動(並進3自由度,回転3自由度)が可能で,小型軽量にもかかわらず, 水中での組み立て作業などが実現できます.

また,このグリッパロボットを操縦しやすいように専用の操縦装置も設計・製作しています.

この研究は,立命館大学川村貞夫研究室および応用地質株式会社との共同研究です.

水中ロボット・有手海ARTEMI

水中ロボット・海剣 MITSURUGI

海底や湖底の泥を採取し,調べることは科学的調査などで重要な意味を持ちます. 本研究では,小型ロボットによって採泥を簡単に実現するロボットシステムを開発しています. スクリューの力によってロボットが海底や湖底に採泥パイプを突き刺し,泥の採取を行います. 採泥時や水中移動時は状況に応じて,流体抵抗が少なくなるようロボット姿勢を変えることもできます.

現在は,GPSや方位センサなどを利用して,自動的に採泥地点まで移動し, 採泥を行う実験を琵琶湖にて実施しています.

この研究は,立命館大学川村貞夫研究室および応用地質株式会社との共同研究です.

水中ロボット・海剣MITSURUGI

水中ロボット・ケイちゃん K-chan

上記の水中ロボット・有手海や海剣のベースとなった小型水中ロボットです. 研究室で設計・試作した電装基板,センサ等の各種機器,ソフトウェアをテストする際は, このロボットを利用しています.

沖縄工業高等専門学校 武村史朗研究室と共同で, カメラを用いた水中位置計測の高精度化を図る実験のためにもこのロボットを利用しています.

15kgと軽量なため,過去6回の石垣島での調査にも活躍しています.海底遺跡のハイビジョン撮影, サンゴ礁の撮影などに利用しました.このロボットはゲームコントローラで簡単に操縦できるようにしてあるため, 高校生への水中文化遺産教育の活動にも利用しています.

水中ロボット・ケイちゃんK-chan

水中ロボット・湖虎 CoCo

2本の作業アームと姿勢調整機構を持つ人間サイズの水中ロボットを開発しました. 従来のロボットアームを持つ水中ロボットは大型高重量で,姿勢を変えることも困難でしたが, このロボットはダイバーのように狭所での作業や,調査対象に合わせて姿勢を変えて(上や下を向いて)の作業も実現できます. また人間サイズであるため,レジャーボートを利用した調査も可能です.

琵琶湖での実験を通して,その有効性を検証しました. また,その内容の一部はTBSテレビ夢の扉+で放送されました.

この研究は,立命館大学川村貞夫研究室および大日本スクリーン製造株式会 (現・株式会社SCREENホールディングス)との共同研究でした.

水中ロボット・湖虎CoCo

水中ロボット・湖虎ディスカバリー Discovery

小型水中ロボットを使って水中構造物などの目視検査を実現するため, ロボットと検査対象物との機械的接触を積極的に利用する方法を検討しました. 機械的接触を有効利用することで,小型水中ロボットでも対象物に対して安定的に定点維持が容易となり, 鮮明なカメラ映像の取得やマニピュレータを使った作業も実現できました. またこのロボットも姿勢調整機構を持ち,対象物に対して柔軟に姿勢を変更できます.

このロボットを使って,東海大学の所有する・海洋調査研修船望星丸の船底調査も実施しました.

この研究は,立命館大学川村貞夫研究室および大日本スクリーン製造株式会 (現・株式会社SCREENホールディングス)との共同研究でした.

水中ロボット・湖虎CoCoディスカバリー

自律型波浪推進船:波のエネルギーで進む船

波のエネルギーを推進力に変えながら自律的に航行する船を開発しました. 東海大学海洋学部 寺尾裕教授との共同研究の成果です. この船は「波浪推進装置」と呼ばれる推進器を持ち,波のエネルギーを吸収し,それを推進力に変える装置です. 自律航行装置は坂上研で開発しました.

実験水槽や折戸湾(静岡市清水区折戸)での実験でその有効性を検証しました.

推進力は常に波のエネルギーから得られ,また無人機であることから,長期間の調査や危険な水域での調査に有効利用できます.

自律型波浪推進船

海洋環境教育用ロボット

東海大学海洋学部では,海洋環境の理解を目的に色々な教育活動を実施しています. 坂上研究室でも,海を観察するための小型水中観測用ロボットを設計・製作し, 環境教室に利用しています.環境教室は,高校生自らが水中観測ロボットキットを組み立て, 操縦し,海の中を観察・記録できるイベントです.

現在は,石垣市及び八重山青年会議所との連携による環境教室を石垣島で実施し, 将来,島の保全や管理に大きな役割が期待される青少年らを教育することを目的としています.

2013年には,ゲームコントローラで操縦できる組み立て式水中ロボット(8台製作,8万円/台),2014年には, スマートフォンやタブレットで無線操縦できる組み立て式水中観測用ロボット(10台製作,3.5万円/台)を利用して海の環境教室を実施しました.

教育用水中観測ロボット