■静岡県の自然
静岡県は太平洋に面し、富士山や赤石山脈などの高山もあり、気候的にも地形・地質、さらに生物の分布も変化に富んでいます。
このような自然の姿は、静岡県の自然のおいたちと深くかかわってつくられてきました。そのおいたちを知ることにより、静岡県の自然の姿をさらに深く理解することができます。
1996年10月19日(土)から11月24日(日)まで特別展『静岡県の自然』を実施しました。特別展終了後は一部の展示を変更し、常設展の一部として展示を行っています。
■主な展示
- 静岡県の地質
静岡県の地質は東部・中部・西部でそれぞれちがっていて、地域ごとに特徴があります。東部の地域や伊豆半島は、第四紀火山やその下に分布する新第三紀の火山岩が見られます。富士川から安倍川までの間には、新第三紀の火山岩や堆積岩があり、その西の赤石山地や天竜川流域にはそれよりも古い堆積岩や変成岩などが分布します。遠州灘に面した地域には、新第三紀の海の堆積層が分布しています。
- フォッサマグナ
本州の中央部を南北に分断して新第三紀に大きく落ち込んだ大地溝帯をフォッサマグナと呼びます。静岡県には、この西のはしの断層である糸魚川−静岡構造線があります。この断層の西側には、その東側より古い地層や岩体が分布していて、ちょうど東側の地域が沈んだようになっていて、第四紀のはじめまでそこには海が入りこんでいました。
- 静岡県の植物
静岡県には、種子植物とシダ植物をあわせると、約4000種類が分布しています。この数は全国一です。このように多くの植物が分布しているのは、海岸から日本最高峰の富士山、3000m級の山が連なる赤石山地(南アルプス)まで高度差があり、それぞれの地域でさまざまな環境があるからです。また、静岡県の植物の分布を見ると、「フォッサマグナ要素」、「ソハヤキ要素」、「伊勢湾周辺要素」など自然の歴史の中で形づくられてきた植物群が分布することも、植物相を豊かにしています。
- 静岡県の蝶
静岡県はチョウの多い県で、 138種類ほどのチョウが分布しています。これは、黒潮流れる温暖な海岸地方から寒冷な3000m以上の高山地帯まで、また南アルプス周辺などの森林地帯から富士山などの火山裾野の草原までと、気候的にも植生的にもいろいろな環境があるからです。高山と草原のチョウの多くは氷河時代などにシベリアや中央アジアから渡ってきたもので、暖地や森林のチョウの多くは東南アジアや中国から日本にやってきました。
- 静岡県の淡水魚
淡水魚にはコイやドジョウのように海とまったくかかわりをもたない純淡水魚と、ハゼやアマゴのように海と川を行き来する回遊魚がいます。静岡県では、純淡水魚の種類は県西部に多く、東部では少なくなります。太平洋に面する静岡県では回遊魚の種類が多く、県内のどの川にもいますが、回遊魚は季節によって川の上流や下流、海にすみわけているため、いつでも川で見られるわけではありません。
最終更新日:2001-11-12(月)
〒424 静岡県清水市三保 2389
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