■化石の意味
「化石」とは、「石に化する」と書きますが、英語では「Fossil」と書いて「掘り出されたもの」という意味です。「化石」とは、過去の生き物の証拠、すなわち過去にどのような生き物がいたかということをしめすものです。
ヒトのいなかった過去の生物のようすについて、私たちは地層に残された化石からいろいろなことを知ることができます。過去の生物の骨や貝殻は、生物の体の形を知るために重要です。恐竜などの足跡や海岸の動物の巣穴なども化石で、これらの化石は生物の生活のようすや化石のあった場所のようすを教えてくれます。
化石から私たちは、過去の地球には現在見られないいろいろな生物がすんでいたことを断片的ですが知ることができます。そして、その滅んだ生物の化石のでてくる地層の重なり方の順番から、現在の生物との類縁関係や生物の進化について考えることができます。また、世界のいろいろな場所の地層からでてくる化石を比較することによって、地層の時代や新旧を知ることができます。
化石の展示物を見て、「貝塚だ」と言っている方がよくいますが、貝塚は考古学的な遺跡、すなわち人の文化の証拠であり、貝塚の中の貝は一般的には化石ではなく遺物になります。化石は、ヒトとはかかわりなく自然に堆積して保存された過去の生物の証拠です。
■主な展示
- 掛川の化石
静岡県の西部、大井川と天竜川にはさまれた掛川地域には、今から約300万年前に海につもった砂や泥の地層が分布しています。
この地層の中には貝などの化石がたくさんふくまれています。このことから、現在の掛川付近まで海があったことと、その後に隆起して陸となったことがわかります。
また、この貝化石の中には、現在のフィリピン付近にすむキリガイダマシなど、熱帯の貝がたくさんふくまれていることから、掛川の貝化石のすんでいた海は、現在よりも暖かかったと考えられます。
- サマースクール
東海大学自然史博物館では、毎年夏に中学生を対象として掛川での化石採集を行うサマースクール「化石を掘ろう」を実施しています。
生徒は、掛川で実際に化石採集を行い、次の日に博物館で化石をきれいに取り出し、標本にします。
最終更新日:2001-11-12(月)
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