■第三紀(哺乳類の時代)
新生代(今から 6,500万年前から現在)に入ると、陸上の動物では恐竜が絶滅し、哺乳類が大発展します。
哺乳類はもちろん、この時代を代表する動物ですが、それ以外にも鳥類や海では硬骨魚類の真骨魚も新生代に大発展した動物です。これらの動物は、それ以前の時代にはほとんど見られなかったもので、そのことからすると、新生代以前の時代は、私たちのすむ時代とは、相当ちがった世界と思われます。この時代、特に哺乳類は発展して、陸上だけでなく海にもすむものもあらわれます。
■主な展示
- 哺乳類の時代
ここでは哺乳類のいくつかの化石標本をもとにこの発展の過程をしめします。新生代にはいると地形や植物景観は,中生代とくらべより現在に近い姿となります。山地や草原がひろがり、そこにすむ動物もそのような環境に適応したものと進化します。
[展示標本]
- くじら類:サハリノケトスの下あご Sakhalinocetus sp.
- 恐角類:モンゴリテリウムの頭骨 Mongolotherium efremokii
- 偶蹄類:エンテロドンの頭骨 Entelodon major
- 奇蹄類:エンボロテリウムの頭骨 Enbolotherium sp.
- 奇蹄類:キロテリウムの頭骨 Chilotherium sp.
- 奇蹄類:エラスモテリウムの頭骨 Elasmotherium sibiricum
- 馬と象の進化
ウマの進化を見ると、草原でくらすのに適して、歯が葉から草を食べるのに適するようになり、はやく走るのに適して指が3本から1本になりました。現在の馬の足の蹄は、私たちの中指にあたります。
[展示標本]
- エオヒップス Eohippus ventriclus
- メソヒップス Mesohipus bairdu
- ミソヒップス Miohippus intermidius
- メリヒップス Meryhippus sejunctis
- エクウス Equus caballus
- 象の進化
ゾウの仲間は、現在インドゾウとアフリカゾウの2種類しかいませんが、数万年〜数 100万年前にはたくさんの種類のゾウがすんでいました。ゾウの仲間は、3000万年前ころのアフリカに生まれ、さまざまに体型をかえながら、ユーラシア大陸からアメリカ大陸に渡りました。
[展示標本]
- ジィゴロフォドンの臼歯 Zygolophodon borsoni
- プラチペドロンの臼歯 Platybelodon sp.
- マストドンの臼歯 Mathtodon sp.
- ナウマンゾウ
ナウマンゾウは、氷河時代の後半(約40万〜1万5000年前)に日本にすんでいたゾウです。ナウマンゾウという名前は、静岡県浜松市で発見された化石につけられた名前で、今までに約 130カ所以上もの場所で見つかっています。ナウマンとは、明治のはじめに日本の地質学の基礎をきづいたエドモンド・ナウマン氏の名前をとってつけられたものです。
[展示標本]
- ナウマンゾウの臼歯 Palaeoloxodon naummanni
- ナウマンゾイの大腿骨 Palaeoloxodon naummanni
- ヘビの進化
ヘビは恐竜とおなじ爬虫類ですが、恐竜が滅んだあとの哺乳類のさかえた新生代になって発展した動物です。哺乳類の天敵として発展したヘビは、まずその長い体でしめつけることを武器とし、つぎに毒牙やビット管という武器を獲得しました。
[展示標本]
- デスモスチルス
デスモスチルスは約1500万〜1200万年前に日本と北アメリカの太平洋岸にすんでいた動物です。デスモスチルスは、のり巻きをたばねたような歯をもっていてます。現在いきている動物のなかでこの動物に似ているものがいないため、ジュゴンのようなカイギュウに似ていたという意見や、バクに似ていたという意見などあり、どのような動物だったか謎につつまれています。
[展示標本]
- デスモスチルスの歯 Desmostylus hesperus
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最終更新日:2001-11-12(月)
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東海大学社会教育センター
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