■白亜紀
英仏海峡を中にはさんで、イギリスの南岸ドーバーとフランスのノルマンジー地方の海岸には数10mの高さの切り立ったまっ白い崖がつづいています。この壁の石は、チョークと呼ばれる白い石灰岩でてきています。白亜紀の白亜とは、このチョークの意味で、この白い地層をもとに設定された地質時代が白亜紀です。
この時代は、植物では裸子植物にかわって被子植物がさかえ、鳥や哺乳類、硬骨魚類もだんだんと多くなってきました。太平洋をとりまいてはげしい火山活動や造山運動がはじまりました。
■主な展示
- 白亜紀の大海進
ドーバーの白い崖の石チョークは、黒板に字を書くチョークと同じ石灰の石です。これは海底にたまった石灰の泥や石灰質のプランクトンの殻からなります。
このチョークは英仏海峡だけでなく、世界中のいたるところに分布していて、大陸の内部にまでおよんでいます。このことから、白亜紀にはチョークのたまる浅い海が陸地の奥まで広がっていたことが考えられ、海が広がった時代と考えられています。
[展示標本]
- チョーク石灰岩
- 有孔虫:オルビトリナ Orbitorina lenticuralis
- 二枚貝:イノセラムス Inoceramus sp.
- アンモナイト
アンモナイトはおもに中生代に栄えた頭足類(イカ・タコ)の仲間です。中生代の地層から化石としてみつかることが多く、よく調べられています。
アンモナイトはオウムガイのように、殻の最後の部屋に入って殻の中の部屋のガスを調節して浮いたり泳いだりしていたと考えられています。一番外側の殻をはずすと、部屋と部屋とのしきいの線の模様がでてきます。この模様はちょうど菊の花びらのような形をしているので、アンモナイトは「菊石」と呼ばれます。新しい時代のアンモナイトほどこの菊の模様が細かく複雑な形をしています。
[展示標本]
- プラセンチセラス Placenticeras sp.
- プラセンスセラス Placenticeras whitifieldi
- ジンボイセラス Jimboiceras sp.
- アカントセラタイテス Acanthoceras sp.
- ユーパキディスカス Eupachydiscus sp.
- ニッポニテス Nipponites bacchus
- アカントセラス Acanthoceras sp.
- アナパキディスカス Anapachydiscus sp.
- ポリプティコセラス Polyptychoceras haradanum
- ゴウドリセラス Goudriceras denseplicatum
- テトラゴニテス Tetragonites glabrus
【印刷物掲載】
・『ふれあいBOX』1996年2月号:よみがえる恐竜たち:化石の王様 アンモナイト
- 新しい時代へ
白亜紀の後半になると、被子植物が裸子植物にとってかわり、哺乳類や鳥、そして海では硬骨魚類が現れました。
新しく現れたこれらの動物は、次の時代に恐竜などの爬虫類やアンモナイトに代わるための準備を整えていました。白亜紀後期に、哺乳類はすでに有胎類と有胎盤類という現在の大きな2つのグループに分かれていましたし、鳥は現在みられるほとんどのグループの祖先が現れていました。さらに、硬骨魚類に至ってはすでに海に繁栄していました。
最終更新日:2001-11-12(月)
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