★静岡初発見!!200万年前のクジラの化石公開
静岡で初発見のクジラの化石、肋骨および周辺で見つかった骨片20数個の全てを特別公開します。
東海大学自然史博物館は、掛川市内で実施した化石発掘調査で、200万年前のクジラの肋骨の化石と多数の骨片を発見しました。県内でのクジラの化石の発見は初めてです。
化石発掘調査は、8月24日から8月29日の間と9月2日から9月7日までの計12日間行いました。掛川市には、掛川層群と呼ばれる今から400万年前〜160万年前(鮮新世〜更新世初期)の地層がひろがっています。掛川層群の地層は砂や泥でできていて、その中から貝やカニなどの海にすむ動物の化石が豊富に産出する場所としてよく知られています。
今回の調査は、昨年の調査で同場所において長さ1.2mの肋骨1本を見つけたことから、本格的な発掘調査を行ったものです。今回の調査では、全身の骨格は残念ながら見つからなかったものの、昨年に続き同じ個体のものと思われる助骨(途中で折れたもの)長さ約20cmと15cmの2個と骨片20数個を新たに発掘しました。クジラの大きさは、発見された肋骨の大きさから判断して、約12mと推測されます。
クジラの骨が見つかった地層は、当時水深100mの海底でした。発見された場所には、サメの歯の化石も多数見つかっていて、当時の海の姿を垣間見ることができます。これからは現生種のクジラの骨格と比較するなどして種類についても調べることにしています。
発掘調査は自然史博物館の学芸員を中心にボランティアなど期間中延べ100名余りを動員して行われました。
静岡初!!200万年前のクジラの化石発見記念 特別展「掛川の化石―クジラ化石発掘報告―」
・会期 2000年10月1日(日)〜11月30日(木) |
貝化石の産出では、世界的に有名な掛川市の「掛川層群」。その地層から初めてクジラの化石が見つかりました。東海大学自然史博物館では、発掘現場の再現や、クジラと同時に発掘されたサメの歯、魚の骨、カニ、軟体動物のタコブネなど当時の海に棲んでいた化石と一緒に公開します。
なぜ、小さな貝などの化石の中に大型の海の哺乳類・クジラの化石があったのでしょう。さあ、みんなで、掛川のクジラの謎解き研究疑似体験に挑戦してみませんか。