博物館は移動しました。このページは過去の展示記録なので、実際には見学できません。

恐竜の絶滅(パネル)

 恐竜がなぜ絶滅したかについては、いろいろな説がありますが、まだわかっていません。最近では、隕石の衝突によって恐竜がの絶滅したといわれていますが、この説は、恐竜の絶滅した中生代と新生代の地層の境界付近に隕石起源のイリジウムという物質が濃縮していることから、大隕石の衝突によって、酸性雨や地球的規模の気候変動があって、恐竜が絶滅したというものです。
このように「突然」の出来事のために恐竜が絶滅したということですが、この「突然」は時間でいえば、数100〜数 10万年もかかった出来事なのです。たとえば、北アメリカの恐竜の種類が最も多かったのは、7600万〜7300万年前までで、白亜紀の末期(6500万年前)まで生きのびたのは30属にすぎなかったそうです。さらに、そのうちの9属は、白亜紀をすぎた新生代まで生きのびていたということもわかってきました。また、恐竜の絶滅を考える時には、同時に起こった海に住むアンモナイトやプランクトンの絶滅も説明しなければなりません。このことは、絶滅を、その事だけでとらえるのではなく、生物や自然環境のうつり変わりの中でとらえることが重要であるということを示しています。
 恐竜が滅びた後に、陸上では哺乳類や鳥類が繁栄しています。恐竜と哺乳類・鳥類の体や生活のちがいに、絶滅したものと、絶滅をまぬがれたもののちがいがかくされているように思われます。哺乳類と鳥類は、ともに恒温動物で、子供がある程度大きくなるまでめんどうをみます。また、哺乳類と鳥類は爬虫類にくらべて心臓や肺(循環器系)の働きが強く、効率のよい呼吸をおこなえます。過去の大気の成分についてもよくわかっていませんが、一説には大気の二酸化炭素のふくまれる割合が増加したというものがあります。恐竜が栄えた中生代の中頃から、太平洋やそのまわりに現在とは比較にならないほど大規模で活発な火山活動が起こりました。この火山活動では大量の二酸化炭素が噴出しました。
 この二酸化炭素は、地球に温室効果をもたらし、恐竜にすみやすい湿潤温暖な気候を提供しましたが、一方ではその増加は循環器系に弱点をもつ大型恐竜の衰退を招くことになったという説です。 この説の真否は別にしても、生物の盛衰は、恐竜にとどまらず、地質時代の中でいくつかの時代にありました。古い形質から進化し適応した生物は、生態系の頂点を極めても、地球環境の新しい変化に対しては、新しい時代により適応した生物にその座をゆずりわたすことになったのでしょう。


●恐竜のいた世界に戻る
 ●恐竜の世界に戻る

最終更新日:2001-11-12(月)
〒424 静岡県清水市三保 2389
     東海大学社会教育センター
        インターネット活用委員会