■『海のはくぶつかん』1997年9月号

ミステリアスな夜の水族館(あれこれ)

榊 まゆ子 

瞑想ゾーン  「夜の水族館」と聞いて、みなさんはどんなイメージを持ちますか?
 去る7月26日に、作家の北村薫さんの講演会と夜の水族館の見学会が開催されました。
 講師がミステリー作家ということもあり、夜の水族館のテーマを「ミステリー(神秘)」に決め、女性職員全員が企画・運営を担当しました。
 薄暗い館内を、参加者自身がヒントの書かれた12個の光るプレートを頼りに、昼と夜の魚の様子の違いを探すという見学方法をとり、各所で職員が見方のアドバイスをしました。聴診器でアカマツカサの発する音を聞いたり、水槽に暗幕をかけたのぞき窓を設置しそこからマツカサウオの発光を見たりと、ちょっとした体験気分を味わっていただけたのではないでしょうか。
 特に好評だったのは、水深6メートルの海洋水槽の周囲にゴロンと横になっていただく「瞑想ゾーン」です。これは初めての試みだったのですが、海中の雰囲気を味わっていただこうと、水槽の照度を下げ、ライトに色をつけて幻想的な世界を演出してみました。気持ちよさそうにゆったりと横になっている参加者も多くみられました。
 「雰囲気そのものが神秘的」、「魚の不思議さ、自然の不思議さに感動した」など、アンケートの回答からもミステリアスな夜の水族館を堪能していただけたことがわかり、企画した私たちもうれしく思いました。


『海のはくぶつかん』Vol.27, No.5, p.7(下) (所属・肩書は発行当時のもの)
  さかき まゆこ:学芸文化室博物課

最終更新日:1997-11-25(火)
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