■『海のはくぶつかん』1997年7月号

海べに行ってみよう(あれこれ)

伊藤 芳英 

磯の観察  最近は交通の便がよくなり、海へ出かけて普段見慣れない海べの自然に接するチャンスが増えてきました。
 海べには、長い年月をかけて自然に作られた転石の海岸、砂浜、磯、そして人工的に作られた岸壁、テトラポッドなどがあります。そこでは、カニ、エビ、貝、魚など多くの種類の生き物がそれぞれ気ままに暮らしている姿を見る事ができます。時には、鋭いトゲを持つウニの仲間のガンガゼやノコギリのような歯を持つウツボ、また、毒を持った魚ではハオコゼやアイゴ、そして、陸上ではその仲間すら見られないイソギンチャクやクラゲなどです。
 ひょっとすると思わぬ生き物を観察することができるかもしれません。海べに出かけて、そこにすむ生き物を発見する楽しい経験をしてみませんか。そして、自分で見つけた秘密の場所と貴重な経験を思い出として記録してみてはいかがでしょうか。
 当館ではこの夏「海べにいこう」というテーマの展示を行います。この展示では、主に静岡県の海べに見られる代表的な生き物の写真や標本、そして、海べで安全に楽しく生き物を観察する方法と記録のとり方などを見ていただこうと思っています。展示をご覧いただいて、いままでうっかり見過ごしていた身近な自然「海べ」に出かけ、楽しく一日遊んでいただけたらと思います。


『海のはくぶつかん』Vol.27, No.4, p.7(上) (所属・肩書は発行当時のもの)
  いとう よしひで:学芸文化室博物課

最終更新日:1997-08-15(金)
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