まず、水槽の形にあった岩の模型を作ってもらい、水槽の雰囲気を確かめます(写真2)。
もし、出来上がった擬岩が、大きかったり、小さかったり、海の中の雰囲気が出なかったり、イセエビがうまく隠れてくれないと岩を置いた意味がありません。生物の動きを十分考え、その水槽にあった大きさ、形を決めます。
模型ができたらそれをもとに擬岩の製作を始めます。完成前の擬岩を工場へ見に行き、色や形・大きさの指示をします(写真3)。私たちが海の中で見る微妙な岩の色や、イセエビがすんでいそうなすき間・くぼみを事細かく説明します。
完成した擬岩は博物館に運ばれ、いよいよ展示換えです。水槽を掃除して、計画した位置に擬岩を置きます(写真4)。
擬岩のほかにも小石や、砂などを入れ海底の雰囲気を出し、海水を入れ、生物を入れたら完成です(写真5)。左すみの擬岩でイセエビが隠れているのがおわかりになりますか?
これからも各水槽でよりよい展示を目指していこうと思います。
『海のはくぶつかん』Vol.27, No.3, p.6 (所属・肩書は発行当時のもの)