■『海のはくぶつかん』1997年3月号

みつゆびはちもんじ(あれこれ)

佐藤 猛 

ミツユビハチモンジ  メクアリウムに展示されているメカニマルたちは、当館のスタッフによって作られ、皆さんに見ていただいています。ここでは、動いているメカニマルをただ見ていただくだけでなく、参加性をもたせた展示をということで来館者が自分で操作しながら動かすことのできるコーナーもあります。その一つのプレイステージでは、以前は3つのメカニマルが展示してありましたが、来館者の人気があるため少しでもたくさんの人に操作していただこうと、一昨年のメクアリウム改修時に一つ追加展示することにしました。それが「みつゆびはちもんじ」です。
 このメカニマルのモデルとなった生き物は、指のように発達した胸びれで海底を歩くことができるホウボウという魚です。左右に3本ずつの指を持っていて8の字を描くように歩くことから、この名前がつきました。体重を6本の指にかけて歩く姿は、渚を歩くシラサギにも似ています。
 ところで、この「みつゆびはちもんじ」はメクアリウム開館当初から実は出来ていたものでした。しかし、機構上、重心が上のほうにあるため、動かしているときに時として倒れてしまうという問題があってそのままになっていました。ただ、メカニマルのなかでは動きがおもしろいので、なんとか展示できるようにとスタッフが腕によりをかけて作り直し、今回、ようやくのデビューとなったのです。


『海のはくぶつかん』Vol.27, No.2, p.7(上) (所属・肩書は発行当時のもの)
  さとう たけし:学芸文化室博物課

最終更新日:1997-04-03(木)
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