■『海のはくぶつかん』1997年1月号

当館で開催された第41回水族館技術者研究会

毎原 泰彦

 12月4〜5日の2日間、当館の講堂を会場に第41回水族館技術者研究会が開催されました。研究会には北海道から沖縄まで合計59園館、その他に維持会員及びオブザーバーの参加があり合計103名の出席がありました。
 研究会前日の午後7時から9時まで宿泊先であるホテルにて魚類と無脊椎の2テーマに分けた談話会を行いましたが、どちらも各園館から活発な議論が多く出されました。翌日午前8時30分に研究会参加者は2台のバスに分乗し、会場である当館に向かいました。
 研究会第一日目(12月4日)は日本動物園水族館協会の池田会長と開催館の永井館長の挨拶の後、9時45分から江ノ島水族館の足立 文氏の「根口水母目の一種 Cotylorhiza tuberculata の飼育について」の講演を皮切りに研究発表が始まりました。第一日目は午前中に10演題、午後の講演は午後1時15分から始まり、途中日本動物園水族館協会の総裁であられる秋篠宮殿下にも御出席いただき、14演題の発表が行われました。研究発表終了後、会場である講堂にて秋篠宮殿下、同妃殿下を中心に、本研究会参加者一同にて記念写真撮影を行いました。その後、場所を当館から車で数分の所にある三保会館の2階に移し、午後6時から8時まで殿下、妃殿下を交えて夕食を取りながらの情報交換会を行いましたが、参加者同士で盛んに情報の交換が行われているように見受けられました。会終了後、参加者は2台のバスに分乗し、当日の宿泊場所であるホテルに向かいました。
 第2日目は午前8時15分にホテルを出発し、9時5分から研究発表が始まりました。7題の研究発表終了後、すぐに「展示水槽中で繁殖する展示外生物とその利害」と題する宿題調査について、串本海中公園センターの内田紘臣氏により報告がなされました。その後、次期宿題調査の題目についての検討に移り、国営沖縄記念公園水族館が「イカの繁殖・育成と周年飼育」についてまとめることになりました。また次期本研究会開催館は関東・東北ブロックの京急油壷マリンパーク、次々期開催館は九州・沖縄ブロックの海の中道海洋生態科学館に決まった後、鈴木副館長の閉会のことばで研究会は終了しました。
 本研究会は発表演題も昨年の22演題から31演題に増加し、繁殖や飼育を中心に魚病・採集・輸送等多岐にわたり、内容の濃い研究会となりました。これもひとえに各園館の日頃の努力の賜と思います。最後に今回の研究会を無事終了することができましたのは参加された各園館の皆様のご協力の賜と思います。この場を借りて厚く御礼申し上げます。


『海のはくぶつかん』Vol.27, No.1, p.6 (所属・肩書は発行当時のもの)
  まいはら やすひこ:学芸文化室水族課

最終更新日:1997-03-05(水)
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