■『海のはくぶつかん』1996年11月号

リンク・オブジェ(あれこれ)

佐藤 猛  

リンク・オブジェ
 当館のメクアリウムには、海の生き物の動きを機械で再現したメカニマルたちが数多く展示されていますが、このメカニマルたちのほとんどは動く仕組みにリンク機構というものが使われています。リンク機構とは、簡単にいうと硬い棒と棒をジョイントでつなげて節(リンク)を作り、その組合せからいろいろな動きを作り出すことができる仕組みのことです。メカニマルは、モーターの回転運動からこのリンク機構を使って泳ぐものや歩くものなど、モデルとなる生き物の動きを作り出しています。
 このリンクの仕組みを実際に目で見て理解していただこうと、昨年のメクアリウムの改装にかけてリンク機構の展示を考えました。初めはメカニマルを使って、そこからリンクの説明をとも考えましたが、それではいきなり複雑なものになってしまいます。もう少しわかりやすいものをと思い、そうしてできたのが、この「リンク1995」です。
 このオブジェ1枚のなかには、真ん中にある一つのモーターの回転運動からリンクをいろいろ組み合わせて回転するものや上下・左右に往復するものなど、いろいろな動きが表現されています。モーターから伝わっていくリンクの動きを見ているだけでもいろいろな動きがあって、おもしろいものです。このリンク・オブジェを通して、メカニマルの動く仕組みをあらためて見てください。


『海のはくぶつかん』Vol.26, No.6, p.7(上) (所属・肩書は発行当時のもの)
  さとう たけし:学芸文化室博物課

最終更新日:1996-12-12(木)
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