■『海のはくぶつかん』1994年11月号

新船によるサマースクール(あれこれ)

毎原 泰彦 

写真  当館では毎年夏休みの期間に小学6年生を対象に、大学所有の海洋調査実習船を使用したサマースクールを開催しています。今年は8月5〜6日に、昨年秋にできたばかりの海洋調査研修船である望星丸(1777トン)を使用しての、初めてのサマースクールを行いました。前の船(東海大学丸二世702トン、望星丸二世1218トン)に比べると、研修船と言うこともあって、船内の住環境は飛躍的に良くなっており、真夏の日差しの中でも一歩船内に入ると快適に過ごすことができます。
 この船に子供たちが乗船するのは8月5日だけです。当日は予定のスケジュールにそってプランクトン採集、空気の缶詰めを使用しての水圧実験、水温や透明度の観測等を行いました。水温の観測では水深40m、120m、400m、800mから転倒採水器により採集された海水に触れた子供たちは、深い水深の海水の冷たさに驚いていました。天候にも恵まれ、波も静かで船酔に悩まされる子供が少なかったのはなにより幸いでした。観測を終え、船が港に接岸したのは予定の時間を少しすぎていましたが、下船する子供たちの顔は皆満足そうに見えました。
 私たちにはこの船を使用しての初めてサマースクールということもあり、念入りに下準備をしたつもりだったのですが、来年に向けて数々の反省点が目につきました。今年の反省点を参考に、来年はより良い、船でのサマースクールにしたいと思っています。


『海のはくぶつかん』Vol.24, No.6, p.7(上) (所属・肩書は発行当時のもの)
  まいはら やすひこ:学芸文化室水族課

最終更新日:1996-09-07(土)
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