■『海のはくぶつかん』1994年7月号
立体のハイビジョン(あれこれ)
石橋 忠信
早いもので、当館の3Dハイビジョンシアターがオープンしてから丸2年が過ぎました。この間に約26万人の方に「マンタウェイ」と「群青の舞踏会」をご覧いただいたことになります。
また、設備の見学に来られた方も多く、評判もなかなかのようです。そこで、今回はこのハイビジョンシアターの設備についてご紹介します。
映画では両目が同じ絵を見ていますが、立体として見る普通の生活では、左右の目に入る絵が少し違っています。ですから、映画をこのように見るためには、右目用と左目用の映像を用意してそれぞれの目に振り分けることが必要です。フィルム映画の場合は、二台の映写機を使ったり、両目用の映像を一コマの中に記録したりしますが、ここでは二台のハイビジョンを使い、偏光フィルターで両目に振り分けることにしました。
ハイビジョンとは言っても構成は普通のビデオと同じで、プレーヤーとプロジェクター、それと左右の映像を同時に再生するためのコントローラーからなっています。プレーヤーにはテープ用とディスク用があるのですが、当館では操作が簡単になるようにレーザーディスクプレーヤーを使っています。このおかげで、ホールを暗くしてスイッチを押すだけで映画がスタートします。そして、それぞれの目に正確な映像が入るようにフィルターの付いたメガネをかければ、立体の迫力ある映像をお楽しみいただけるわけです。
『海のはくぶつかん』Vol.24, No.4, p.7(上) (所属・肩書は発行当時のもの)
いしばし ただのぶ:学芸文化室博物課
最終更新日:1996-10-12(土)
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