『ロシア科学アカデミー古生物学研究所付属古生物博物館』
モスクワ市内から車で20分ほど走った効外のプロフソユーズナヤ通りに、この博物館はあります。人通りもなく殺伐とした風景の中にポツンと煉瓦造り風の大きな建物があって、その入口にはロシア語で古生物学研究所付属古生物博物館と書かれています。館内に入ると、外とはうって変わって子供たちや家族連れでにぎわっていました。
エントランス部はかなり暗く、天井から首長竜の骨格標本が吊り下がっています。展示室はその奧の階上で、ここは比較的明るい雰囲気です。ここでの写真撮影には料金が必要で、撮影料は地下鉄と同じ30ルーブルを払います。ロシアは物価が安く、日本円にするとわずか4円です。
『モスクワ大学付属地球科学博物館』
モスクワにはあまり高い建物がないということで、北はオスタンキノテレビ塔、南はこのモスクワ大学がその代表と言われています。この博物館は、そのモスクワ大学構内の、それも最上階(31階)に近い24階〜28階までを占めているため、館内の窓からはモスクワ市内が一望に見渡せます。
ここには、モスクワ周辺からロシア全域にわたる自然科学系の資料が展示されています。種類も地質から動植物まで多岐にわたり、実物のマンモスの頭骨も展示されています。その中には、無脊椎動物の液浸標本もあり、その数と保存性がすぐれているのに驚かされました。動植物の生態系の場所では、特徴のある地域のイラストとジオラマが並べてあり、地下1メートルほどの地質状態も展示されています。その出来映えとわかりやすい解説には感心させられます。
『海のはくぶつかん』Vol.24, No.1, p.6 (所属・肩書は発行当時のもの)