■『海のはくぶつかん』1993年11月号

「ズームアップ水族館」の移設(あれこれ)

小林 弘治 

写真  当館の講堂では、昨年の7月より特別展「ズ−ムアップ水族館」を開催していました。
 小さな生き物でも眼を近づけて良く観察したり、拡大して観察すると、それまでに見えなかった姿や面白さが見えてきます。今回の特別展は、このような小さな生き物たちの様子を紹介することが目的で企画されたものです。展示の主体は、光学機器とテレビカメラを組み合わせ、レバー操作で自由に見たい所を観察する装置です(本誌Vol.22 No.4、 Vol.23 No.1参照)。
 この特別展は来観者に好評であったことから、当初昨年の11月末までとしていた開催期間を今年の8月末まで延長しました。そして、特別展の終了する9月以降には、館内のどこかに移動して展示を継続したいと考えていました。この結果、一階の水族館観覧コ−スの最後のホールを展示場として、新たに再開する事になりました。残念ながらこの場所は面積が少し狭いため、観察装置は3台としました。
 観察装置はそれぞれ、種々の小型動物をズームレンズで1.7〜16倍に拡大する装置、トビムシやワレカラを実体顕微鏡で40〜60倍に拡大する装置、ミズクラゲの発生をズーム機構を持った顕微鏡で35〜240倍に拡大する装置です。
 その他の観察装置などは、整備し大事に倉庫に保管しました。近い将来、これらの観察装置を活用し発展させて、一層充実した展示をよみがえらせたいものと思っています。


『海のはくぶつかん』Vol.23, No.6, p.7(下) (所属・肩書は発行当時のもの)
  こばやし こうじ:学芸文化室水族課

最終更新日:1996-12-08(日)
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