■『海のはくぶつかん』1993年11月号

望星丸二世で最後のサマースクール(あれこれ)

 岡 有作 

写真  8月5日と6日の2日間、小学校6年生を対象としたサマースクールが開かれました。海洋科学博物館の敷地内の特設テントが主な教室です。1日目は当館で海洋観測などについて勉強した後、東海大学の海洋調査船望星丸二世 (1300トン) に乗って駿河湾に出ました。船上では表面から水深1000メートルまでいろいろな深さの所から水を採って温度の違いを手で触れて体感したり、水圧の実験、透明度の観測、プランクトンの採集、海底の泥とその中に住む生物の採集などを行いました。深海の水の冷たさや、水圧の強さに、船上のあちこちから驚きの声が上がりました。
 2日目には、地曳網を引いて取れた魚の数や種類を調べたり、1日目に採集したプランクトンを生きたまま拡大して観察しました。6年生には少し難しい内容だったかも知れませんが、2日間で得た体験・知識を一杯抱えて帰ったことと思います。
 サマースクール「三保の海を調べる」は毎年夏に行われ、望星丸二世かもう一隻の調査船・東海大学丸二世のどちらかに乗船して行われてきました。もう20年余りも続けられてきました。
 ところが2隻の調査船はだいぶ船齢を重ねたのでこの夏限りで役目を終えることになったのです。今までに毎年60人20年で1200人余りの小学6年生に調査船の活動、駿河湾の姿を体験してもらいました。サマースクールを開く博物館の職員としても少し寂しい気持ちがしています。


『海のはくぶつかん』Vol.23, No.6, p.7(上) (所属・肩書は発行当時のもの)
  おか ゆうさく:学芸文化室博物課

最終更新日:1996-12-08(日)
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