■『海のはくぶつかん』1993年7月号
ヒトデの行動実験(あれこれ)
舟尾 隆
当館の講堂では8月31日まで、ズ−ムアップ水族館を開催しています(本誌、Vol.23 No.1)。そのなかに、1時間に一度、かならず人だかりができるコ−ナ−があります。ヒトデの実験解説コ−ナ−です。ここは、見るからに体がかたく、ほとんど動くことのなさそうなヒトデたちの行動を、ちょっとした工夫により、わかりやすく見て知ってもらうためのコ−ナ−です。
1回の解説は10分程度で、その間に、1.普段は砂や泥に潜っているヒトデの仲間がどのようにして水槽内の砂に潜っていくのか、2.せまい場所からのどうやって脱出するのか、3.ひっくりかえってしまったらどのようにしておきあがるのか、という3つの異なった実験をおこないます。
一見かたそうな体をびっくりするほど自由に曲げたり、体の裏側にあるたくさんの管足と呼ばれる”足 ”を使ってどの方向にも自由に動くヒトデたちとその行動の解説は、かなり興味をもってもらうことができたようです。もちろん、解説をしていない時にも、皆さんに自由に実験していただけるように、数種類のヒトデが常時10〜20匹水槽に入っています。
解説を聞く前は、なにげなく触っていただけの水槽のヒトデたちを、解説を聞いた後には、いま聞いたことの復習をするように注意深く観察している人たちの姿が今日も見られます。
『海のはくぶつかん』Vol.23, No.4, p.7(下) (所属・肩書は発行当時のもの)
ふなお たかし:学芸文化室水族課
最終更新日:1997-03-17(月)
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