現在開催中の「カリフォルニアの海にすむ不思議な魚、グルニオンのふ化実験会」で誕生した稚魚たち4千びきが23日、米国に里帰りし、親魚の海(カリフォルニア・カブリロ海岸)に放流されます。 送り出される子どものグルニオンは、約1ケ月間の飼育で2センチ(ふ化直後の大きさ約7ミリ)に成長。稚魚約4千びきは、50センチ四方の発泡スチロール製の活魚輸送用ボックス、3個に分けられ、23日午後に清水市の海洋科学博物館を出発します。出発式では、小学生の子どもたち(東海大学付属小学校5年生)が見送ります。さらに「楽しい実験会ありがとうございました。あっというまに産まれる魚に感激しました。カリフォルニアの海で無事に育ってくれることを願っています」などとふ化実験会の会場で参加者の感動の一言を綴った手紙も添えられます。 4千びきのグルニオンの子どもたちは、一旦、成田で酸素補給および出国手続きのため一泊した後、翌日の24日(13:55)に成田を出発、同日(8:00)朝、ロサンゼルス空港に到着します。ロサンゼルス空港から車で25分のところにあるカブリロ海洋水族館に運ばれ、健康チェックを受けた後、同館の手で産卵場所のカブリロ海岸に放流される予定になっています。 カリフォルニアの沿岸に生息するグルニオンは、ボラに似た、20センチたらずの魚です。グルニオンは、満月と新月の日の1日後の満潮の夜、大きな波を利用して海岸に上がり産卵するかわりもの。グルニオンは、日本の海にいない魚であることから親魚が産卵にきたカブリロ海岸に放流されます。グルニオンは、1年でおとなになるため来年の今ごろは、清水生まれのグルニオンがカブリロ海岸に産卵にやってくるかもしれません。 なお、グルニオンのふ化実験会は、ゴールデンウィークの5月6日まで開催中。5月3日〜6日の間は、グルニオンの卵を提供していただいているロサンゼルス市立カブリロ海洋水族館から学芸員のクリス・オカモト氏が来日して、アメリカ式の特別実験会が開催されます。 ◆グルニオンの稚魚の米国里帰り、出発式◆
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