基礎教育・化学

 化学的立場からみれば海洋は絶好の対象です。海水中には量的な相違はあるものの、周期表にある殆どの元素が溶存しています。さらに大気からの気体成分の溶解もあり、種々の反応、例えば酸・塩基反応、酸化還元反応等が起こっており、結果的には海水のpHが約8.2であるとか、海洋底にはマンガンノジュールやコバルトクラストが存在するとか、さらには海洋生物の生存に大きな係わりを持つ珪酸塩、炭酸塩の生成ならびに化学的平衡関係等々、限りなく多くの興味ある問題を含んでいます。また、最近では農薬、殺虫剤、電機部品などに使われる人工化学物質が、残留性有機汚染物質として海洋生物への影響が確認されています。

 この様なことから海洋を学んでいく上に、化学の分野が深い係わりを持っているのが分かると思います。そこで当学部では化学を身につけるための基礎科目として、3種類の講義科目[化学・基礎化学・一般有機化学]および[化学実験]とを用意しています。これらの科目は学生諸君が自分で選び履修を決められる選択科目ですが、学科によっては必修科目として指定されている場合もあります。これらの科目内容は下のシラバス(概要)に掲載されていますが、履修に当たって科目概要と選択の指針を紹介しておきます。

化学開講科目

 ・基礎化学
 ・化学
 ・化学実験
 ・一般有機化学

基礎化学

 週1回15週の講義と定期試験:高校で化学を履修してこなかったり、履修はしたが苦手であまり定着していないと思う場合には履修を勧めます。内容は周期表、気体・液体・固体の性質、モルの概念、溶液の濃度と溶解度、酸・塩基とpH、酸化と還元反応などを扱います。

化学

 週2回15週の講義と定期試験:高校で化学を履修した人、物質に関心がある人に履修を勧めます。内容は前半で物質の成り立ちとし原子構造、構成粒子、原子固有の性質、結合様式と分子、イオン結晶、物質の構造と性質などを、また後半では物質の挙動として物質の三態と相平衡、水溶液の性質、化学平衡、反応速度、酸化還元反応等を扱います。

化学実験

週1回15週の実験・講義・レポート作成:海洋というダイナミックな対象と関わる学部で、実験を通して修得する物質への認識や技法は大切な素養となります。実験に関心のある人の履修を勧めます。内容は定性・定量分析を始め有機・物理化学的な実験もあり中には海水を試料に用いた実験や、分析機器を用いて測定する実験もあります。

一般有機化学

週1回15週の講義と定期試験:有機物は生命活動に不可欠な物質群です。これら有機物に対し関心のある人や生物学に関心のある人の履修を勧めます。内容は分子構造と性質・名称、物質としてアルコール・有機酸・アミノ酸などを、またクロマトグラフィーや構造確認に大切なスペクトルデータについても扱います。